「かぼちゃの馬車」の破産などで、不動産投資のリスクに敏感になるサラリーマン投資家は、増えました。
しかし、超低金利の時代は当分続くので、下火になるどころか実物資産になる不動産投資を始める人は後を絶ちません。
特に中古マンションの不動産投資は、比較的少額からできるので、サラリーマン層の人気が高いです。
しかし、不動産投資のおいしい投資話の中には、詐欺まがい、いや詐欺もあります。
ここでは、長年、不動産経営で成功するプロ宅建士のヒロさんが、不動産投資の落とし穴と成功のコツを本音で語ります。
私は副業で、中古マンションの不動産投資をやりますが、着実に儲けられるノウハウを教えてください。
いや、稼げる宅建士になりたいなら、勉強のために一度、痛い目にあった方がいいでしょう(笑)
実はサラリーマン宅建士も比較的、リスク管理がしやすい中古マンションの不動産投資を副業でする人もいます。
仕事柄、宅建士は不動産物件を見る目が肥えているので、不動産投資の副業と相性が良いです。
また、不動産投資を通じて、色々なリスクを知っておく方が、宅建士の本業である宅建業務にも役立ちます。
これから宅建士をめざす人も不動産投資の知識は、宅建試験の「税その他」の試験範囲にも関連してきます。
百戦錬磨の不動産業界のプロから、中古マンションの不動産投資のリスク回避の方法を学びましょう。
Contents
宅建士が語る不動産投資を始めるきっかけとリスク
具体的にサラリーマンの中古マンションへの投資は、どのように始めるのでしょうか?
サラリーマンであれば、何かの社員名簿を見た業者からの電話やダイレクトメールが来て、それがきっかけで不動産投資が始まることもあります。
自分でアクティブに動けるならば、宅建業者や色々なサイトから情報を集める人もいます。
不動産投資会社へ直接、問い合わせて投資セミナーに参加したことがきっかけになる人もいます。
そして、もっと頑張る人は、競売物件を自分で落札して、リフォームをして、より高く転売することを狙う人もいます。
テレアポ(電話営業)で、会社に連絡が来る不動産投資は、怪しくないですか?
はい、問い合わせていないのに、いきなり連絡してきて、過度に営業がしつこい会社は、要注意です!
私も、過去に不動産投資セミナーの問い合わせをした経験がありますが、その後、何度も営業から連絡がきました。
不動産投資会社の営業は、収入が高い反面、営業ノルマも高い目標数字を求められるので、営業熱心な人が多いです。
しかし、頭の隅に置くことは、表に出ている情報(仲介サイトで掲載されている情報など)は、基本的に古いことです。
素人のところへ来る誰でも手に入る情報は、不動産業者などが誰も手を出さなかった物件である可能性が高いです。
競売物件にしても、自分なら不動産業者よりも安くリフォームできるという裏付けがなければ失敗に終わります。
特に不動産投資は、物件の魅力で成功が決まるので、優良な物件情報を入手するのが命です。
中古マンションの不動産投資の注意点
不動産売買取引を仕事にする宅建士ならばわかりますが、不動産投資は、資金運用に一番注意する必要があります。
よく聞く言葉に「利回り」という言葉があります。
「この物件は利回りが8%もあるから買いだ!」とか、投資を判断する指標として使われる代表的なものです。
しかし、気を付けないといけないのは、この利回りがどうやって算出されているかです。
・収入、つまり賃料設定に無理はないのか?
・どれぐらいの入居率に基づいているのか?
そして、今後もこの賃料や入居率が中古マンションで維持できるか?
将来性まで検討する必要があります。
しかし、不動産投資の素人は、投資額も単純に物件の販売額だけしか見ていないことがあります。
単なる販売価格だけなく、売買にかかる諸々の経費も含めるとどうなるのか?
トータルの支出まで計算しないと実際にかかる正確な経費は出せません。
また、マンションの場合ですと、管理費や修繕積立金などは、貸主が持つことが多いです。
これも税金や保険等と合わせて不動産の収支に大きく影響してきます。
さらに、賃貸で貸す場合は、入退去の際やそれ以外にも修繕する必要に迫られることもあるでしょう。
これら細かいところの出費まで含めて投資を検討する必要があります。
諸経費の問題や利回りの知識は、宅建士の本業である不動産仲介業にも役立ちそうですね。
はい。実際に自分が投資用に物件を購入した経験があると、同様に投資を考えている買い手へ自分の体験を話せます。
ヒロさんの会社でも住宅用だけでなく、投資用物件を探している人は多いですか?
はい、会社員で高収入の人は、別に収入源を持ちたいという目的以外に、ローン減税で税金を安くしたい人も多いです。
ローン支払いの苦労など、お客様との距離は縮まりそうですね(笑)
不動産投資の失敗は必ず原因がある
前述のような細かいところまで、検討していないで投資した場合は、最終的には、失敗に終わります。
なかなか、思ったように利益が出ないうえ、そんな時に限って泣きっ面に蜂のように悪い入居者に当たってしまいます。
入居者が問題を起こし、退去や修繕等に預かった敷金以上の費用がかかってしまうリスクもあり得ます。
不動産投資の失敗は、不運だから起こったのではなく、実はそうなる原因が始めた時から根本にあることが大半です。
逆に、ドンぶり勘定で始めたけど、成功した場合は、単に幸運なだけかもしれません。
宅建士の資格は不動産投資に役立つか?
宅建士の資格は、不動産投資に役立ちますか?
いいえ、私も宅建士を取得していますが、不動産投資は資格より経験ですね。
どの仕事も同じだと思いますが、資格さえ取得すれば、簡単に儲けられる仕事なんて無いです。
宅建士の試験勉強は、総合的な知識が求められますが、合格後で、その知識を使いこなせるかどうか?は別問題です。
ただ、不動産投資も自分の生業として行なっていくならば、話は別です。
宅建士の資格がある方が、重要事項の説明も契約手続きも全て自分一人でできます。
宅建士でなければ出来ない独占業務は、資格を持っていないと出来ません。
外部から資格者を雇う労力を考えると、宅建士は持っていて損はありません。
中古マンションの不動産投資を成功させる方法
では、中古マンションの投資にゴールはあるのでしょうか?
もちろん、売却してしまえば、それで終わりですが、自分のものである限り、そこにゴールはありません。
もし、あなたが亡くなってしまえば、そこに相続が発生し、次に引き継がれるだけです。
この時点で、売却する場合も含めてうまく乗り切れるかどうかも問題となってきます。
やはり投資にはゴールを設定するのは、必要なことかもしれません。
物件というのは、間違いなく老朽化していきます。
ある程度利益がでれば、売却して、それで最終的な利益を確定するのが上手な終わらせ方です。
もちろん、その時点で借り入れがなくなっている、または無くすことができるということが前提になりますが。
プロの不動産投資家は、どれぐらいの期間、投資物件を所有するのですか?
1番の目安は、借入が無くなった時だと思います。
借入が無くなる目安は何年に設定すれば良いですか?
また、10年ぐらいを目安にその時点での相場で売却できた場合も含めての収支を計算してみてもいいような気がします。
しかし、会社員が現実的にローンを支払うとすると、10年が返済するのはキツイ場合が多いです。
不動産投資をする時は、ローンの返済期間も頭に入れておく必要があります。
やはり、ずっと不動産を持ち続けるのはよくないですか?
ずっと持ち続けることを否定するわけではないですが、収益性が下がっていくのは、覚悟しないといけないと思います。
さらに日本銀行は、日本全国の貸家の入居戸数が2020年をピークに減少すると推計しています。
物件の供給過剰に人口減少が重なり、特にアパートを中心に“大空室時代”になる心配があります。
空室問題の影響は、中古マンションにも影響は及ぶと考えられます。
中古マンションを将来、処分する時の注意点
手堅い購入層であるサラリーマンが購入しやすい中古マンションの場合は、築25年を過ぎると転売が難しくなります。
ローン減税が使えるのが、築25年以内の物件に限られるからです。
また、50㎡以上の住宅でなければ、減税は使えないので、1DK型の投資マンションを扱っている人も部屋の広さに注意です。
不動産価値が、大きく値崩れしない立地も重要です。
人気の駅近5分以内に建つ中古マンションあれば、築25年以上であっても便利さから需要はあります。
しかし、立地が良くない中古マンションは、将来的、大幅に価値が落ちる可能性が高いです。
中古マンション投資は業者に任せっきりは危ない
不動産投資会社の営業マンの話を鵜呑みにして、任せっきりにするのも危険です。
すすめられる物件も、自分でも積極的に現地のリサーチをして、納得して購入しないと後で後悔します。
遠方の土地勘がない場所の不動産投資は、私はおすすめしていません。
また、中古マンションや住宅の投資には何が必要か?を頭に入れて、資金計画も念入りにすることが失敗を防ぐコツです。
一度、多額の返済ローンを組んでしまうと、簡単にやり直しができません。
他の副業とは違い借金をするリスクをくれぐれも忘れないでください。
でも、サラリーマンが、最も失敗のリスクを防げる安全な中古マンションの買い方があります。
自分が住みたいマンション選びが一番失敗しないコツ
不動産投資をする時は、目的の設定が明確なことが成功するコツです。
不動産コンサルティング会社わひこの浅野恵太代表は「不動産投資でうまくいく人は、収入を得て何をしたいかという目的が明確な人。
その目的に応じて買う物件も変わってくる」と語る。
(引用:「東洋経済:かぼちゃの馬車」騒動が映す不動産投資の罠」2018/04/16より)
不動産に知識がない素人でも、貸すターゲットの需要が良く理解できると失敗しにくいです。
よって最初は、投資用ではなく自分が住む居住目的で、中古マンションを探すのです。
投資の目的を「自分が住んでみたい素敵なマンションを所有する」にすると、自分の身近な事になるので、ターゲットも想像しやすく買いやすいです。
まず、投資用と居住用では、ローンの金利が違います。
住宅用は、住宅市場を活性化させる目的から、ローンの金利が安く、様々な減税の優遇措置があります。
最初から投資用で買うよりも返済が楽になります。
もちろん居住用で購入しておいて、すぐに投資用に賃貸で使うことはダメです。
ローンの住居用金利の安さを目的に、住居で借りて半年以内で引っ越して貸すと、最近は税務署のチェックが入り、減税が受けられなくなります。
数年、自分が住んだ後から、賃貸用に物件を貸し出すのです。
そもそも自分が住むという目的にも使えれば、投資以外にもその不動産を所有することにメリットが出ます。
住む家は絶対に必要なので、家賃を支払う代わりにローンを返すと、サラリーマンも大きな出費にはなりません。
自分が手放すのが惜しいぐらいの物件、毎日住んでいて快適なマンションこそが、他人も欲しくなる価値が落ちない不動産です。
儲けのことばかり考えて、自分が住みたくもない投資用マンションを所有しても意味がないことです。
自分が本当に住みたいか?という顧客の視点で、常に不動産を探し続ければ、素人でも失敗することは無いです。
自分の居住用のマンション購入や所有に慣れてから、本格的に大きな不動産投資を始めても遅くはないです。
この時点で、不動産投資は思ったよりも大変そうだと重荷に感じれば、やめて別の副業を探せば良いです。
不動産投資のプロと同じ土俵で争わずニッチを追求
不動産投資のプロは長年の人脈や経験があります。
不動産投資会社に相談した時、担当者の営業が良ければ、お得な掘り出し物の物件を勧めてくれる幸運は、あるかもしれません。
しかし、皆が欲しがるような物件は、当然、競争も激しいです。
売る方、仲介する側にとっては、少しでも高く買ってくれるお客さんや、継続的に取引してくれる上客の方が、大事なのは当たり前です。
初めて不動産投資に手を出す、予算も限られているサラリーマンに、良い不動産物件を優先的に回してくれる保証はないです。
サラリーマンが不動産投資で良い情報を得られない場合は、他の成功方法もあります。
プロが一般的にあまり手を出さないでも将来性がある物件について、化ける可能性を追求することも成功する一つのやり方です。
例えば、将来の値上がりが予測できる地域の不動産を先回りして購入する。
特定の需要があるニッチな市場を狙うなどです。
しかし、プロが手を出さないけど、収益が上がる優良物件を探し出すことは、難易度が高く簡単にはできません。
よって、誰よりも勉強熱心で、一生懸命に物件を探し続ける努力を継続できる人でないと、この方法でも成功できません。
ただ、宅建士にとっては、本業の不動産の知識が役立つ儲けやすい副業です。
ちなみに宅建試験(宅建士の資格の必要な場合)にも出題されますが、
継続的に不動産取引を行わない限りは、不動産投資の副業に宅建士の資格は必要ありません。
サラリーマン宅建士が不動産投資で成功する条件
中古住宅や中古マンションへの不動産投資についての話は、いかがでしたか?
不動産投資の世界では、たとえ不動産のプロでなくても、物件の仕入れからプロと闘わなければならないのが現実です。
何の不動産知識も無い素人が、努力もせずに簡単に儲けられるほど、甘くはありません。
どの副業も同じですが、サラリーマンが片手間で、努力せずに簡単に儲けられることは絶対に無いです。
不動産投資で儲けているサラリーマンは、人よりも努力している人ですね。
はい。不動産投資は軌道に乗れば、毎月利益を生んでくれるので、安定した良い副業なので魅力はあります。
本業にも役立ち、稼げる宅建士になれそうなので、挑戦してみたい副業ですね。
でも、リスクと売れる不動産の基本原則は、忘れないでください。
どの商売も同じですね。相手の立場で良い商品(不動産物件)を提供することが、遠回りのようで、儲けにつながりますね。
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