自分で不動産を経営していると、色々な入居者の方に出会い、忘れられない出来事が起こります。
今回は、アパートで賃貸業を経営するヒロさんの体験談です。
不動産の賃貸アパートは、高齢者の方の入居が増えていますね。
はい、ある一定の年齢以上の高齢者はお断りする大家も多いのですが、高齢者の方をお断りしていると入居者が集まらない物件もあります。
今回は高齢者の入居者の注意点と体験談ですね
あやうく、そんなピンチに陥る寸前で、嗅覚が働き助かったという例を紹介したいと思います。
2018年の猛暑の中で起こった賃貸アパートの出来事です。
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Contents
賃貸アパートに高齢者が入居!高齢者の賃貸リスクは?
70歳を超えた男性の一人暮らしの方が、5年ぐらい前に入居されました。
生活保護で生計を立てておられたのですが、足が少し不自由で、気難く近所づきあいも少ない方でした。
全員がそうと断言はできませんが、このよう方の特徴の一つに、クレームが非常に多いです。
どうしようもないことでもクレームをつけて、誰かを呼びつけようとします。
今から思えば、きっと寂しかったのかもしれません。
生活保護を受けておられる高齢者の方は、賃貸物件を借りにくい事もありますが、ヒロさんのアパートでは、受け入れておられたのですね
入居者が集まらないことはないのですが、高齢者が家を借りられない社会も問題だと考えているからです
アパートの高齢の入居者に危ない兆候は出ていた
そんな方ですから、見回り等に行っても、できるだけ近寄らないようにしようとしていました。
高齢の入居者を助けたい気持ちはあっても、現実的に日々、相手をするのは、しんどいという心理ですね
ただ、すごく気になることが出てきました。
高齢者向けの賃貸アパートで、猛暑で気になることと言えば
ご承知のように2018年の夏は、異常なまでの暑さで、熱中症による死者も多く出ました。
不動産物件で死者が出るというのは大変な事です。
自殺や他殺ではないですから、事故物件というわけではないですが、やはり非常に面倒な事になります。
✴︎ 事故物件とは、自殺や他殺などの事件が起きた物件のことです。
そのような物件は、次の入居者が決まりにくいなどの問題が起きます。
しかも、孤独死で発見が遅れたりしたら、死体の荒廃など悲惨な状況が待ち受けています。
よって、特に高齢者の方が一人でお住まいの場合は注意を払います。
この高齢者の方の場合、一番心配だったことは、部屋にエアコンがついている形跡がなかったことです。
地方都市の古いアパートですから、元々エアコンがついていなくて、後で入居者さんがつけられる事が多いです。
しかし、この方の場合は、どうもエアコンの室外機が見当たらない、つまりエアコンがないのです。
しかも、ご近所づきあいがない上に、足が不自由。
しかし、プライドが邪魔するのか介護やヘルパーさん等も頼んでおられませんでした。
このように人付き合いがない人は、急に倒れても誰もその方の異変に気付かない可能性が高いです。
これは、長年の不動産経営のカンで、非常にやばそうな匂いがプンプンしてきました。
アパートで頼りになるのは世話焼きのおばさん
そこで、入居者のなかで、この方が唯一多少なりとも話をする間柄だった、世話好きのおばさんに頼むことにしました。
「たまにでいいから声をかけて、様子を気にしてほしい。」ということをです。
そして、ポケットマネーで手土産を持ってお願いにいきました。
おばさんは、心よく引き受けてくれました。
そして、予測した通り、とんでもない事が真夏のアパートで起こりました。
高齢者の入居者の見守りを頼んでよかった
そして、おばさんにお願いをしたその日の夕方、さっさく彼女は酢の物か何かを持って、その入居者さんの部屋を訪ねていってくれたのでした。
しかし、呼び鈴を押してもドアをノックしても呼びかけても応答がありません。
普通だったらここで、帰ってしまうのですが、彼女はドアノブを回してみてくれました。
なんと、ドアが開いたのです。
ドアを開けて、呼びかけても応答がありません。
ここでも、幸運なことに彼女が一歩踏み込んでくれました。
部屋へあがってみると、そこで発見したのは、変わりはてた姿になった入居者さんでした。
後で、警察の方の話を聞くと、死亡推定時刻は発見する前の日の夕方ぐらいとのことでした。
この暑さですから、もう少し発見が遅れていれば、腐敗が始まっていたとのことです。
そうなるとやはりご遺体の始末が大変です。
また、発見が早かったおかげで、ご遺族の方にも、生前と変わらぬ姿でお渡しすることができました。
これが一番、今回のことでは良かったです。
不動産賃貸現場でおきる出来事のひとつの例をあげてみました。
扱うのは建物であったり土地であったりしますが、そこには間違いなく人が関わっていて、ドラマがあります。
アパート経営では現場の異変に気がつく嗅覚と想像力が必要
常に現場に足を運んで、ちょっとした異変にも気づく嗅覚や想像力というのが本当に大切になってきます。
今回はハッピーな話ではないですが、このような負動産の現場にこそ、仕事の真実があるような気もします。
高齢者向けアパートを経営する時に大切なことは、現場への注意を怠らず、近所のコミュニティーを活用することですね。
はい、自分の目が届かないので、近所の人の見守りが必要です。
不動産会社の中には、地域のコミュニティーを活性化させる事に熱心な会社もあります。
一見、儲かりそうにないことでも、そのような地道な働きが将来、自分達にも返ってきます。
ヒロさんの話は、アパート経営をこれから考えている人に参考になりますね。ありがとうざいました。
アパート経営では色々なトラブルがあります。
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