2019年4月8日

公務員の建築士の仕事とは?転職で公務員が向く建築士の特徴

「公務員は、不景気は人気が上がり、景気が良いときは人気がない仕事」

と言われがちですが、最近の好景気でも安定した公務員をめざす若い世代は増えています。

 

その一方で建築士は、若い頃は修行をして技術を身につけられる職場を優先するイメージが強いです。

建築士の職場は、設計事務所や建築・建設会社などが浮かぶ人が多く、企画や設計、施工などの働く場所も様々です。

 

しかし、それ以外の場所で、設計事務所や建設会社からの転職が非常に多く、日本の多くの建築士が働いている職場があります。

実は、その職場は役所で、職業は公務員です!

 

今回は、建築士の就職や転職先として公務員の役所の仕事について紹介します。

知り合いの公務員から聞いた実話、また仕事で府の職員を実際に関わった私の経験からまとめました。

公務員の建築士の仕事とは?転職で公務員が向く建築士の3つの特徴

公務員の建築士の勤める役所と部署

日本の建築士の多くが、役所で働いています。

1番大きな組織では、国の官庁、都道府県庁。

そして地方の市町村役場まで、全国の各地域の役所で建築士が活躍しています。

 

役所によっては、建築士がいないところもありますが、所属する部署は、大きく分けて3部門あります。

  • 庁舎その他の建築物を造り維持管理所「営繕」関係と呼ばれる部署
  • 法令に関する部署
  • 街づくりに関する部署

公務員で役所で働く建築士の仕事内容とは?

一口に公務員としての建築士がする仕事といっても多岐に渡りますが、大きく分けて次の①~③。

そして番外編的に④があります。

庁舎等役所関係の建築物の建築、維持管理に関する仕事

実際の設計や施工、工事監理等は外部に発注します。

ただし、役所に所属する建築士は、事業の計画立案や予算措置、入札等に関する事務、施工中の現場のチェック等を行います。

 

このようにチェックだけを専門に行う仕事は、役所以外の民間では、あまりないと思います。

ほとんどの建築事務所や建設会社は、自社で図面を作成し、施工管理も行います。

自社でやれない場合は、直接、設計事務所や建設会社に外注します。

 

なぜ、役所だけが直接、設計や施工に関わらない専門の建築士を抱えているのでしょうか?

それは、役所の場合は公共的な建築物を造る関係もあり二重・三重にチェックを行いたいからです。

 

そして、事業計画を立てたり、予算要求をしたりといった仕事にも建築士としての専門知識やスキルが必要です。

よって部署が多い分だけ、建築士も大量に雇われています。

公務員の建築士の仕事とは?転職で公務員の建築士の仕事のイメージ画像

建築基準法や都市計画法等の許認可に関する仕事

建築行為や開発行為を行う際には、色々な法令をクリアする必要があります。

 

そして、その際には役所に申請を行って、関係法令に適合しているというお墨付き(許可)をもらわなければ工事に着手することはできません。

建築確認申請をはじめ法律の申請受付の仕事も大きな割合となっています。

 

建築基準法に適合しているという証明をする仕事自体は、民間機関でもできるようになっています。

しかし、最終的な指導監督権限は、基本的には役所にあります。

 

違法な建築物に対する指導や処分も役所の仕事です。

許認可関係は、数年ごとに全ての部署を経験する人もいます。

公務員の建築士の仕事:転職で公務員行える仕事のイメージ画像 建築の確認申請

街づくりに関する仕事

その他にも、都市計画に関係する仕事、簡単に言えば、街づくりに関する仕事などもあります。

この仕事は面白いので、希望する建築士が多いです。

 

どこに、どのような公共施設を配置する、また、この地区はどのような地区として街づくりを進めていくようなプラン作成も建築士の仕事です。

 

ただ希望する人が多い割には部署の定員も少ないので、この仕事につくのは優秀な人でないと難しいです。

 

また、高度成長期のように街の都市開発がこれから積極的に進むとは考えられません。

今後この部署は一部の地域を除けば、先細りになると考えられます。

その他、一般的な公務員としての仕事

建築士として役所に入れば、建築に関係する仕事ばかりをするとは限りません。

全然、畑違いの仕事をすることもあります。

特に異業種交流ではないですが、専門以外の職場に配属されることもよくあるようです。

 

将来、自分が配属される部署は入庁する前はわからないです。

建築士の公務員への転職状況とは

民間企業と同様に新卒採用中途採用の2つの採用があります。

転職であれば、中途採用に応募することになりますが、年齢制限が設けられている場合がほとんどです。

 

技術職の採用は、年齢は上限で30代前半までです。

もし、公務員をめざすならば、20代の間に挑戦する方が、採用されやすいです。

ただ、最近では就職氷河期の世代を支援する動きが高まっているので、30代後半から40代に採用の門戸が広がりつつあります。

 

そして、募集される部署によっても倍率が変わります。

倍率が低く人気がないので狙い目は、土木課です。

 

また、国家公務員や地方公務員になれない人は、関連の外郭団体も入りやすいです。

実は、この県や市の子会社のような外郭団体へは、公務員職員が多く出向しています。

 

60歳の定年退職後の雇用の受け皿にもなっています。

県や市の組織では、非正規雇用で働く多くの人がいる反面、このように優遇される人もいるアンバランスさがあります。

 

人件費の節約の為に仕方がないのかもしれませんが、決められた雇用体制を維持し続ける融通の効かない組織です。

 

個人的には、年齢が高い世代を優遇するよりは、非正規雇用で働く子育て世代を積極的に正社員に雇用する方がよいと思います。

国が進める少子化政策も収入を安定させられる若い世代が増える方が、出産率も上がると思います。

公務員になるメリットとデメリット

建築士として働く人で公務員への転職を考える方は多いです。

実際に役所でも過去に民間企業等で建築士として働いていたキャリアを持つ方は人は大勢います。

公務員になるデメリットは仕事の内容

一番のデメリットは、今までのキャリアが役に立たない部署に配属されるリスクがあることです。

 

人事異動が定期的にあり、その都度、どんな職場でどんな仕事をするかはわかりません。

実際に公務員への転職を考える際には、必ずしも自分のやりたい設計の仕事ができるとは限らないです。

 

実際に仕事が面白くないと言う人が多いことも事実です。

特に地方公務員になれば、ルーティーン化した仕事にマンネリ化してやる気を失う人もいます。

 

また勤務の評価システムはありますが、頑張っても民間ほど飛躍的に給料が上がることもありません。

能力給はなく仕事をやってもやらなくても同じ給与なので、頑張り損に感じることもあります。

 

やり甲斐のなさから民間から公務員へ転職した優秀な人でも数年働くと、また民間へ戻る人も少なくありません。

公務員の一番のメリットは福利厚生の良さ

ただ、労働条件の悪さに苦労していた建築士は、福利厚生の条件の良さに転職して良かったと言う人も多いです。

 

その一つが休みの多さです。

有給は勤務し始めた初年度から年間20日から支給される上に1時間ごとに取得できます。

 

例えば1日7時間45分労働だと1時間年休を取得しても6時間45分が残ります。

1時間ごとに年休が取れると、プライベートな用事と両立させやすいので便利です。

 

部署によっては年休を取る暇もないぐらい忙しいところもありますが、基本的な権利として認められているので、民間よりは取得しやすいです。

 

また、公務員は住宅ローンを組みやすいなど社会的信頼度が高いメリットもあります。

外郭団体であっても府の名前が付けば、一年程の勤務経験でも有利な条件で銀行のローンが組めます。

公務員の威力は、住宅ローンを組むときには特に感じる人が多いです。

 

ただ信用面が重視される公務員では、その反面、交通事故などの理由でも起訴された段階で、すぐに解雇される厳しさもあります。

無論、一部の認められた職以外は副業も禁止されています。

 

運が悪いケースでは、少しのことも大きくマスコミのネタにされる場合もあります。

税金で給料が賄われている公務員は、それだけ市民の目も厳しくなります。

公務員に向く建築士は安定したい人

公務員の最大の良さは、安定感です。

そのかわり私が知る限りですが、多くの仕事は充実感が無いと言う建築士が多いです。

技術職で採用された知り合いの公務員も数年勤めた後で民間へ転職しました。

 

民間企業や独立して建築業を営んでいる人に比べて、自分の裁量で任せられる仕事が少ないので、型にはまった仕事が嫌な人には向きません。

組織で決められたことを無難にこなせる人にはに向いていますが、尖がった人は組織から排除される傾向もあります。

 

この仕事は効率が悪いし、無駄なので変えましょうと提案しても組織では聞き入れられないし、直ぐには変わりません。

 

安定を取るか、やりがいを取るか?

これは働く目的にも関わってくるので、どちらが良いとは言えません。

 

少し仕事のペースを落として充電期間を取りたい人は、公務員職で数年間、勤めた後で民間へ戻る方法もあります。

 

また、子育て支援は充実しているので、子供が小さい間は女性が働く場所としては特におすすめです。

給与は安くなりますが、小学校へ上がるまでは時短制度もあるので、民間のようなマタハラや解雇されるリスクは低いです。

 

休みを取りやすい部署に配属されれば、一級建築士などの資格取得には最適な環境です。

仕事が面白くなくても時間の使い方次第では、自分のスキルアップの武器は得られます。

 

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