国の後押しにより副業を解禁する企業が増えてきたとはいえ、未だ副業を禁止している企業は多いです。
厚生労働省は、平成30年1月に副業についてのガイドラインを作成しました。
企業や副業を行う社員が、現行の法令のもとでどのような点に事項に留意すべきかをまとめています。
本来、就業時間以外の時間は労働者は、自由に時間を使えるはずなので、法律上は副業禁止を企業は強制できません。
しかし、会社の労働契約や就業規則では、副業禁止を定めている会社も少なくありません。
副業のトラブルに巻き込まれると、金銭面の損額だけでなく最悪の場合は職を失うリスクもあります。
今回は、企業がサラリーマンの副業を禁止する理由と副業の注意点についてまとめました。
また、企業に禁止されない代表的な3つの副業を紹介します。
Contents
多くの企業が副業を禁止する理由
副業を認めている会社は、
企業が副業を禁止する主な理由は3つあります。
・労働時間が長くなる
・労災等の保険の責任の範囲がわかりにくい
・本業への悪影響
働き方改革を推進していても、実際の労働時間が長くなれば、それは労働者の健康管理にとって好ましく無いです。
また、副業の最中に行なった事故やトラブルに、どちらからも責任が取れないリスクがあります。
副業でトラブル経験があるのは14%
企業が副業を禁止する一因となる副業によるトラブルは、実際に起こっています。
下記の調査では、副業でトラブルを経験している人は14%もいます。
身の回りで聞いたことがある人の22%と合わせると約36%の人が、何らかのトラブルに巻き込まれています。
(引用「日本法規情報株式会社の調査」より)
25%が副業を利用した詐欺に遭うなどのトラブル原因になっています。
会社員だけのキャリアで、自営経験がない人は、ある意味会社の世界しか知りません。
美味しい儲け話に引っかかり易いのかもしれません。
(引用「日本法規情報株式会社の調査」より)
また、本業にも影響があるトラブルもあります。
本業の支障をきたしたのが24%、本業の会社ともめたトラブルも12%もあります。
副業の禁止事項と注意点
本業の会社とトラブルにならない副業の方法は、自身が勤めている企業の副業・ 兼業に関するルール(労働契約、就業規則等)を確認することです。
労働者と会社側が後でトラブルにならないように、双方が納得しながら進めていくことが必要です。
日頃から企業側とコミュニケーションをとっておくと大きなトラブルに発展しにくいです。
グレーゾーンの副業はやらない
会社の労働契約や就業規則に直接的には、該当しなくてもグレーゾーンの副業があります。
例えば、忙しい業界の副業は、労働時間が長くなりがちで、ブラックな働き方になります。
36協定などもあり、1ヶ月の労働時間は限られています。
それを守れないグレーゾーンの副業は避けた方が無難です。
副業で懸念されることの一つが、健康管理です。
本業及び副業・兼業の業務量や進捗状況、それらに費やす 時間や健康状態を管理することも新しい副業のやり方です。
副業の確定申告はきちんと行う
住民税の申告で、本業の会社に副業がバレることが多いです。
売り上げを隠すなどの脱税行為は、もってのほかですが、確定申告を忘れること人も多いです。
適切な副業の確定申告を行わず、確定申告の期限が過ぎてしまえばペネルティを支払う必要があります。
ほとんどの会社で副業禁止にならない3つの副業
副業禁止で代表的な職種は公務員ですが、その公務員でも認められている副業があります。
倒産しない、リストラがないなど安定したイメージが強いですが、一般企業に勤務する方と比べ、制約が多いのも公務員の特徴です
下記はサラリーマンの副業では人気の副業です。
(1)投資信託
(2)不動産賃貸業の収入(一定の規模以下)
(3)株式やFXなどの投資
確定申告をして損益通算し、年収を下げることで、毎年の所得税・住民税が大幅に減らせられるメリットなどがあります。
次は、副業禁止にならない3つの副業のそれぞれのメリットとデメリットについて紹介していきます。
将来は副業禁止は時代遅れになる?
副業が不動産業界で働く、サラリーマン宅建士にも全面的に解禁される日も近いです。
日本政府が、いよいよ副業と兼業を促進させる政策の実現に本格的に動き始めました。
安倍政権が、2019年度の6月の成長戦略の一環として、副業と本業を両立させられる就業規則のモデル作りの普及と、労災保険の拡大など労務管理のルールも見直すことを発表しました。
副業を全面的に政府が後押しする理由は、将来の労働人口の減少懸念からです。
日本経済は少子化により、人手不足が深刻化している。
2018年度には15~64歳の「生産年齢人口」が約7545万人となり、総人口に占める割合は59.7%と1950年以降最低を記録した。
副業や兼業の推進は働き方の多様化に並行して、企業側に人材の有効活用を促す狙いがある。
(引用:「2019年5月23日:日本経済新聞」より)
1995年(平成7年)には、生産年齢人口(15-64歳)が最高値(8,717万人)になりましたが、その後は減少が続いています。
ここ数年前よりサラリーマンの副業がブームになり、IT系企業を中心に副業を解禁する会社も増えてきています。
実際に副業に取り組むサラリーマンは年々、増え続けています。
(参照引用:「(出所)総務省「就業構造基本調査」日経新聞の資料」より)
近い将来は、副業が禁止されることはないと予測できます。
正しいルールで、前向きに副業をしていきたいものです。