ミレニアム世代へ家を売るコツは「自由、多様性、合理性」が鍵

不動産投資

今回は最近、住宅市場で存在感を増してきた「ミレニアム世代」への住宅の売り方を考えます。

ミレニアム世代とは、1981年以降に生まれた(22歳~37歳)の世代です。

 

実はこの世代は、日本の住宅市場に大きな影響を与えています。

国土交通省の調査によれば、ミレニアム世代は、住宅の「一時所得者」の半数以上を占めます。

(画像引用:日経XTECH「ミレニアル世代が住宅市場を揺さぶる、これだけの兆候」2018年12月13日より)

 

この世代の特徴と売れる住宅の条件を紹介します

「ミレニアム世代」の消費の特徴とは

この世代は、バブル崩壊後の景気低迷期に育ちました。

旺盛な消費欲がない世代とも言われています。

 

この世代の大きな特徴は、多様な価値観を持っていることです。

そして、様々な情報を確認したうえで、必要な物を購入する合理的な世代です。

 

無駄を嫌い、適正価格かどうかを判断するので、合理性がないと購入してもらえません。

しかし、全てを合理性だけで判断し、デザインを重視しないのではありません。

 

自分の価値観を大切にして、自由に個性が出せるこだわりにはお金をかける傾向があります。

物にこだわり、厳選して賢く購入する世代とも言えます。

 

所有欲が薄い世代ですが、住宅は違うようです。

合理性・多様性・自由」の3要素が揃うと住宅購入にも旺盛になります。

ミレニアム世代に人気の住宅の特徴

彼らが住宅を購入する時に重視するのもお金をかけずに個性を出せる事です。

 

よって用意された多様な選択肢が中から、自由にデザインを選べる事を好みます。

どの世代よりもカスタマイズ好きセミオーダー住宅を選びます。

 

多額の予算がかかるフルオーダーではない事もポイントです。

ベース(基本の土台)をカスタマイズできると、ゼロから作るよりも予算はかかりません。

 

例えば、外装はシンプルな形状を基本にして、残りをカスタムメイドする仕様、

開口部の位置や外壁の貼り付を自由に選択できるなどです。

 

無塗装の壁も選べるなど、DIY(Do It Yourself(ドゥ イット ユアセルフ)略語)が可能です。

住宅に自分で塗装できるなど自由に手を加えることができます。

ミレニアム世代に人気の売れる住宅例

ミレニアム世代に実際に売れている住宅例をみていきましょう。

ライフスタイルを重視する姿が浮かび上がります。

三井ホーム「ナチュラルヒュッゲスタイル」

ミレニアム世代に人気の住宅の1つが、三井ホームの「ナチュラルヒュッゲスタイル」です。

「ヒュッゲ(デンマーク語:HYGEE)」とは、快適に幸せを求める北欧のライススタイル全般を意味します。

 

日常生活の何気ないことにも幸せを感じる「ヒュッゲ」は、数年前から日本でも流行しています。

この北欧デザインは、シンプルナチュラルな温かみのあるデザインが特徴です。

事前の調査では、戸建て住宅を購入する際に希望するタイプを「既製品」「セミオーダー」「フルオーダー」に分けて尋ねたところ、「セミオーダー」が51%と約半数を占めた(写真と資料:三井ホーム)

(画像と記事引用:日経XTECH「ミレニアル世代が住宅市場を揺さぶる、これだけの兆候」2018年12月13日より)

 

そもそも日本では、イケア(スウェーデン)をはじめ、北欧系のインテリアデザインが人気です。

イケアなど北欧系のメーカーは、お手頃価格でデザイン性が高い商品を多く取り揃えているので、若い世代でも買いやすいです。

木目を取り入れたシンプルでナチュラルなテイストは、若い世代には馴染みがあります。

 

また、北欧の生き方「ヒュッゲ」は、ミレニアム世代の気質にも合います。

人と比べない自分だけの幸せを体現したい彼らにはぴったりです。

 

ミレニアム世代には、北欧系の流行デザインを取り入れた、セミオーダー型の住宅を提案すると売れる傾向があります。

今後、ミレニアム世代に売れる住宅とは

ミレニアム世代には、小さな家「タイニーハウス」「スモールハウス」なども人気です。

小さな家に住むことで、場所や物に縛られない生き方をする事です。

 

ここにもローンに縛られず自由に暮らしたい彼らの合理的な価値観が出ています。

この価値観に合うコストを削減しつつ満足感の高い住宅開発も必要です。

 

また、i-phoneなどの携帯電話を使う事が当たり前の世代です。

IT技術を住宅に取り入れた「スマートハウス」も注目されています。

 

家の電化製品をネットで接続して、住宅の維持管理を全てスマホで行える便利な住宅です。

・自動で照明の明かりや暖房器具が操作される。

・玄関の鍵がスマホで開けられる

これらはオプションではなく、当たり前のように住宅に取り入れられる時代になります。

 

そして、合理性で自由な多様性を求める彼らへ鍵になるのが「シェア(共有)」です。

 

シェアハウスは、既に一部の若い世代を中心に人気です。

単に家賃を節約するためではなく、人との出会いや交流を求めることが目的のシェアハウスが人気です。

住宅を所有するよりも賃貸でシェアする人は、今度ますます増えてくると予測されます。

 

縛られず自由に暮らせる家」がコンセプトになります。

(引用画像:日本産業新聞 2018年12月13日 より)

ネット社会になり、SNSのコミュニケーションが盛んな時代です。

人の出会いが少ないと、なおさら人との繋がりや出会いは大切になってきます。

リアルな交流ができる住宅の需要はさらに高まります。

 

そんな社会情勢もみているとミレニアム世代への住宅の売り方が見えてきます。

宅建士の仕事にも役立つヒントになると思います。

不動産業界の年収アップに役立つ記事です。

(参考記事:「不動産業界で年収アップしたい人が絶対に身につけるべき3つのスキルとは?」)

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