一級建築士なるには?一級建築士の仕事と受験資格の実務経験を解説!

建築士の転職と仕事

建築業界の転職では、実務経験だけでなく一級建築士の資格が年収アップに関係してきます。

建築士免許は業務でおこなう建築物の用途、規模、構造に応じて担当する設計の内容により一級建築士、二級建築士、木造建築士と資格免許が変わります。

それでは一級建築士になるには、何の実務経験や資格が必要か?を紹介します。

一級建築士なるには?一級建築士の仕事と受験資格の実務経験を解説!

一級建築士の受験で必要な実務経験と資格

一級建築士試験の受験資格は、下記の建築に関する学歴又は資格等が必要です。

従来は「実務経験要件」がありましたが、受験時の要件ではなくなりました。

一級建築士の受験資格に必要な学歴又は資格等の条件の画像

(引用:公益財団法人建築技術教育普及センターより)

建築関連の学校を卒業した方が有利であることには変わりはありません。

建築の学校を卒業していない場合は、二級建築士を取得する必要があります。

実務経験が一級建築士の受験資格から廃止されたことは、一級建築士の若返りを狙っていると思われます。

若い人によりチャンスがあるので、少しでも早く一級建築士を受験するのがおすすめです。

 一級建築士の取得におすすめ>>>【建築士:通信講座】スタディングで合格できるか?一級建築士が徹底分析!

一級建築士受験の実務経験がなくなり学歴と資格のみになる

以前の実務経験の場合は耐震偽装の後その対策として平成20年11月28日から新規定に改定されました。新規定では実務経験の資格は、より厳しくなっていました。

以前であれば、平成20年11月28日からであれば(新)、それ以前の平成20年11月27日迄であれば(旧)に分類されていました。

しかし、実務経験がなくなりました。
入学年が平成21年度以降か平成20年度以前のどちらかに分類されます。

平成21年度以降の入学者の学歴の条件

4年制大学の場合

A
大学、高等専門学校(「本科+専攻科」の卒業者に限る。)
職業能力開発総合大学校(長期課程又は応用課程の卒業者に限る。)
職業能力開発大学校(応用課程の卒業者に限る。)
専修学校(専門課程で修業年限が4年以上のもの)

 

3年制短期大学や専修学校の場合

B
短期大学(修業年限が3年以上のもの)
専修学校(専門課程で修業年限が3年以上のもの)

 

2年制短期大学、専修学校や高等専門学校の場合

C
短期大学(修業年限が2年以上のもの)
高等専門学校(本科のみの卒業者)
専修学校(専門課程で修業年限が2年以上のもの)に限る。)
各種学校(高等学校卒業が入学資格で修業年限が2年以上のもの)
職業能力開発大学校(専門課程のみの卒業者)
職業能力開発短期大学校

(参照:公益財団法人建築技術教育普及センターより)

平成20年度以前の入学者の学歴の条件

建築士法施行日前(平成20年11月27日まで)に在学中で卒業した人、それ以前に卒業した人に適用されます。

一級建築士の受験資格に必要な条件:平成20年以前の受験者

(引用:公益財団法人建築技術教育普及センターより)

実務経験が必要ないのは受験資格だけで免許登録には必要

学歴がなければ二級建築士を取得すれば、翌年には直ぐに一級建築士の試験を受験することができます。

ただ、注意しなければならないのは、実務経験が必要ないのは受験資格だけです。
資格の免許登録までには、建築の実務経験が必要とされます。

若い人にも受験のチャンスを広げつつも、資格者には一定のレベルが必要です。

一級建築士は実務経験がないとなれない事には変わりがありません。

一級建築士なるには:実務で求められるスキルとは?

仕事の実務で一級建築士に求められる経験と知識

次は一級建築士の受験資格を得る為に必要とされる事ではなく、実際の仕事上で必要とされるスキルをまとめました。

一級建築士に限らず、建築士には主に下記のスキルと知識が求められます

1)設計のプランニング力

2)建築基準法、都市計画法などの法規の知識

3)建物の構造や強度の知識

4)工事現場で管理方法や施工を指示できる

この中では特にどのスキルが1番重要で、一級建築士に求められるか?は業務内容によって変わってきます。

一般的に意匠設計であれば業務に関連する法規に強い事が一級建築士に求められる場合が多いようです。

一級建築士は全ての建物の設計が許可されている資格です。

例えば、高さが13m超、1000m2超の建築物などは、他の二級建築士では設計が許可されていません。

法規で定められた一級建築士でないと設計できない条件の建物は、一級建築士が担当になります。

 

よって一級建築士になれば、大規模な物件を手がける機会も多いです。

そのような公共施設や商業施設などを日本で建てる場合は特に関連法規が複雑なので対応できる知識が求められます。

 

一級建築士には意匠、構造、設備などの幅広い知識が必要とされます。

全ての専門知識を極めるのは難しいので、自分の得意分野でスペシャリストになる人が多いです。

 

一級建築士を取得した後でしか受験できない「構造設計一級建築士」や「設備設計一級建築士」など、さらに専門的な資格もあります。

一級建築士の試験問題は実務でも必要とされる知識

一級建築士の受験資格が実務経験者に限られている事から分かる様に、仕事ですぐに使える実務能力を重視した資格試験である事は間違いありません。

現在の一級建築士の試験科目は下記の通りです。

一級建築士の試験問題内容:学科と設計の画像

(参照:建築技術教育普及センターより)

「計画」の科目は新制度から学科1(計画)と学科Ⅱ(環境・設備)と分かれました。

 

学科は設計を中心に建築の仕事で必要な知識が幅広く問われます。

試験で勉強したことは直ぐに仕事で役立つ事ばかりです。

計画:「環境工学」「建築設備」「環境・設備」

法規:「建築基準法」「建築士法」「バリアフリー法」などの関連法令

構造:「力学」「各種構造」「材料」

施工: 建築工事の準備段階から完成までの過程

環境や設備、建築基準法や関連法規を知らないと図面のプランニングが出来ません。
ここで「計画」や「法規」の知識が役立ちます。

また構造や材料を適切に選定する知識、施工の手順を知らなければ、建築物を造る事ができません。
「構造」や「施工」の知識も必要です。

 

そして学科試験の合格者のみが受ける事ができる二次の実技試験も仕事に役立ちます。

設計製図の実技試験は、手描きで図面を作成します。

与えられた課題で時間内にエスキスのプランニングから配置図、平面図、断面図、面積表を完成させます。

周辺環境、バリアフリー、パッシブデザインなどの考察も必要な難易度の高い課題が毎年出題されます。

 

最近の実務ではCADで図面を作成する事が多いので手描きの試験は、少し時代遅れかもしれません。

しかし、設定条件から図面を作成する実技は知識とプランニング力が必要です。

建築士の実技試験は、実務と乖離していると批判する声もあります。

それも間違ってはいませんが、最終的にはプランをまとめる力がある人が合格しています。

一級建築士の試験内容:学科と設計製図

一級建築士になるには二級建築士を先に取得も近道

一般的にニ級建築士の方が難易度は一級建築士の試験よりも低いです。

下記は2016年度までの一級建築士と二級建築士の合格率の比較です

(引用:建築技術普及センターより)

 

一級建築士の平均合格率は10%前後に比べて二級建築士は平均20%以上の合格率です。

実は一級建築士の学科の出題は二級建築士の学科試験からも出題されています。

よって一般的に二級建築士合格後にすぐに一級建築士を受験をする人は学科試験で高得点を取りやすいです。

 

出題科目も二級建築士と一級建築士は内容が似ています

下記は二級建築士の試験問題です

(参照:建築技術教育普及センターより)

 

学科は、2つに分かれる「計画」以外は一級建築士の科目と同じです。

製図試験も学科の合格者が受験できる事は同じです。

ニ級建築士は業務範囲内の規模や木造建築物が中心の出題になります。

 

二級建築士の合格の後、直ぐに一級建築士の勉強をすれば学科は特に効果的です。

実際に一級建築士を受験する前に、二級建築士から取得する人も多いです。

 

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参照記事:「150万年収をアップさせたい建築士は一級建築士の取得がおすすめ。年収アップの秘密を徹底解説!」

 

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