前回の記事では、アメリカ不動産テックで有名なZillow(ジロウ)の会社概要とグループ会社についての英文を紹介しました。
(参考記事:宅建士のビジネス英語:アメリカの不動産サイトZillowの会社概要を読む)
今回の宅建士のビジネス英語では、そのZillowのグループ会社の1つ”Trulia”(トゥルーリア)の英文サイトを紹介します。
Truliaは2005年に設立され、2014年にZillowに買収されました。
現在は、サンフランシスコを拠点にZillowグループが運用しています。
Zillowの設立が2006年です。
Truliaは、Zillowよりも1年早く不動産検索サイトのビジネスに参入していました。
このTrulia の買収の結果、Zillowは全米でNo1の不動産検索サイトになりました。
アメリカと日本の不動産ビジネスの大きな違いの1つが、一般顧客に公開される情報量です。
不動産情報に透明性があり、アメリカの方が質も圧倒的に高いです。
その不動産の情報提供サービスの最先端をいくのが、Truliaのサービスです。
英語が苦手な宅建士でも、今回のような不動産ビジネスの内容は理解しやすく面白いです。
生の英語の情報から、不動産テックの最先端のサービスを考察していきましょう。
”Trulia”の概要
“Trulia”は、不動産を購入したい人と借りたい人が、自分の住みたい好きな場所の情報を探すサービスを提供しています。
(引用画像:trulia)
下記が、Truliaが自社サービスついてホームページで紹介している英文です。
(引用ページ:https://www.zillowgroup.com/trulia/ )
この会社のサービスが凄いところは、住む地域に合わせて好きな場所の情報を探し、提示してくれる検索と情報の精度の高さです。
赤線を引いている英文の箇所がポイントです。
”With insights sourced straight from locals and over 34 neighborhood map overlays like crime and schools,…”
学校や犯罪歴など34を超える近所の地域情報を地図の上に示してくれます。
Truliaは、その地域への理解を深め、本当に自分がその地域に住めるかどうか?を判断する手助けになる情報提供をしてくれます。
“insights“は、「洞察力」や「見識」
“overlay“は、「重ね合せる」や「照準を合わせてみる」などの意味があります。
単語の意味をそれぞれ、直訳すると意味が一見わかりにくい英文です。
しかし、不動産の仕事をしている人ならば、内容がピンとくると思います。
下記は、より詳しくTruliaについて日本語で説明しています。
特に犯罪発生率を視覚化した地図まで情報公開している事が、日本と大きく違います。
CrimeReports.comやEveryBlock.com、SpotCrime.com等提携している犯罪情報を利用し、アメリカ国内の都市部犯罪発生率を視覚化した地図を公開している。
サービス利用者は特定地域の犯罪統計情報を他の地域と比較し、コメントを加えることができる。
(引用:ウィキペディア(Wikipedia)より)
英語で”Trulia”のサービスを使う方法
Truliaのサービスは、こちらのサイト(https://www.trulia.com)から使えます。
今回は、ニューヨークで賃貸物件を探してみます。
(引用画像:https://www.trulia.com)
賃貸なので”Rent”を選択します。
地域名を入力すると、地図とおすすめの物件の写真が出てきます。
(引用画像:https://www.trulia.com/NY/New_York/)
“Upper East Side”の下に、このエリアの物件数と相場が表示されます。
“1618 homes for you“は、「該当物件が1618あります」
“Buy: $2.21K – $88M“は、「 購入額:$221,000 〜 $88,000,000」
ここで出てくる”K”や”M”は単位です。
数字を見やすくするためにゼロを省略する時に使います。
1km=1,000メートル、1kg=1,000グラム
・【MはMillion(ミリオン)の略】“1 million(ミリオン) = 100万。
お金持ちを表す「ミリオネア」は(millionaire)は、この100万円からきています。
エリアか物件のどちらかを選んで検索できます。
最初に”Upper East Side”を選択してエリア検索をする事にしました。
すると、そのエリアがピンク色で選択された地図が出てきます。
(引用画像:https://www.trulia.com/NY/New_York/)
“Explore”は、調査するとか探し求めるという意味です。
英語の旅行サイトでも良く出てくる単語なので、覚えておくと使えます。
この地図の下には、レストラン、食料店、カフェやフィットネスなど周辺情報が選べます。
仮に食料品店を選ぶと地図に店の位置が表示されました。
(引用画像:https://www.trulia.com/NY/New_York/)
Googleマップと連動しています。
日本から検索していると、日本語の表示も同時に地図に表示されるので便利です。
この機能は、住宅を探す時ではなく、アメリカに旅行したい時などに、観光地の周辺情報を調べたい時にも使えそうです。
次は掲載されている写真の物件から検索する方法を選びました。
(引用画像:https://www.trulia.com/NY/New_York/)
“New”と表示されているブルーの壁紙の物件の写真をクリックします。
右側に、この物件を扱って居るエージェント達が表示されます。
(引用画像:https://www.trulia.com/NY/New_York/)
物件の写真の下側に、詳細な周辺の地域情報が表示されています。
犯罪情報のmapもあります。
(引用画像:https://www.trulia.com/NY/New_York/)
日本とアメリカの不動産ビジネスの違い
今回の宅建士のビジネス英語では、英語のTruliaのサービスを少し解説しました。
ざっとTruliaのサイトを見ただけでも、一般消費者に対して、日本よりかなり詳細に情報が公開されている事がわかります。
現在、日本の不動産検索サイトのSUMOでさえも、ここまでの情報が誰でも閲覧できるように公開されていません。
日本では、宅建業者は顧客から不動産の売却を依頼されれば、不動産業者専用の検索サイト
「指定流通機構 レインズ(REINS)」に登録する義務があります。
レインズでは、不動産業者は自由に他社の物件情報を閲覧することができます。
しかし、一般の顧客はレインズを閲覧することができません。
アメリカと日本の不動産購入に対しての文化の違いがわかります。
特にアメリカのように銃の所持が認められ、地域によっては犯罪率が高い地域では、周辺環境は生死に関わります。
自分が住む予定の周辺の地域情報を詳細に得られる情報提供サービスが、顧客に支持される理由もわかります。
英語を勉強するだけでなく、そんなアメリカと日本の不動産に対してのサービス文化の違いがわかると理解が深まります。
これから日本でも透明性のある詳細な情報公開ができる不動産会社ほど、顧客に支持されると思います。
英語でTruliaをより詳細に使う方法は、次の記事で紹介しています。
(参考記事:「宅建士のビジネス英語:”Trulia”でエージェントを探す機能を使う」)
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