「宅建士のビジネス英語」のシリーズは、宅建士がビジネスに使える英語を学ぶ記事です。
これから宅建士の仕事のグローバール化は止まらないと思います。
特に東京では、不動産開発を行う外資系企業の勢いが止まりません。
オーストラリアの不動産・建設大手のレンドリースが、東京を中心に複合施設の開発に乗り出します。
レンドリースは2018年度の売上高が1兆3448億円を超える、超大手のゼネコン・ディベロッパー会社です。
レンドリースとは、シドニーを本社とし全社員数は1万3238人。
日本の現地法人のスタッフの数は500人と大所帯です。
(参照記事:日経産業新聞 2018年12月18日より)
日本の都市部の時価は今はもう高止まりしており、これから外資の不動産開発の進出は下火になるという見方もあります。
しかし、外資にとっては、まだまだ都心部でも開発を進める余地があり、そんな日本は、外国からの不動産投資を惹きつける魅力があるようです。
当然、スキルアップ転職をする場合でもビジネスで英語を使える人の方が、可能性が広がります。
今回は、そんな不動産のビジネス英語を学びたい宅建士に使える英語の本を紹介します。
Contents
宅建士の不動産実務も同時に学べる英語の本
宅建士が仕事で使えるビジネス英語を学ぶ時に困る事は、不動産業界のテクニカルターム(専門用語)の資料が少ない事です。
一般的な英語の教材は、ビジネス用でも不動産関連の話題ばかりではありません。
詳細に不動産について英文と日本語で説明している本は無いかと探してみるとありました。
「図解辞典 英語で学ぶ不動産ビジネス」です。
「英語で学ぶ不動産ビジネス」の書籍について
この本は、不動産実務のプロの外国人と日本人の共著であることが気に入りました。
日本人の著者、脇本氏は、土地信託業務、不動産仲介業務、不動産信託業務、不動産ファンドコンサル業務の経験があります。
この本は、不動産取引に係るコンサルティング業務に強い著者の長年の経歴と不動産業界の知見が生かされています。
英語だけでなく幅広く不動産ビジネスに関して学べるのが、この本の最大の強みです。
もう1人の著者はネイティブのサリアード,ジョン氏です。
彼も不動産業務のエキスパートです。
マウイ島で不動産開発や不動産投資セールスに従事後、日本で投資アドバイザリーやアセットマネジメントサービスを経験しています。
彼は不動産の専門家であるだけでなく、日本語も理解します。
よって、不動産業務の英文と和文はかなりのレベルになっています。
「彼がいないと、この本は完成しなかった」と著者の脇本氏は述べています。
この黄金の著者コンビによって、
外国人が不動産用語を使う時は、どのような英語を使うのか?を正確に理解できます。
日本語と英語が比較しやすい
実際に不動産の専門用語を調べるのにも、非常に使いやすく便利な本です。
目次から左側が英語、右側に日本語が掲載されているので比較対象しやすいです。
(引用画像:「英語で学ぶ不動産ビジネス」より)
不動産業界独特のわかりにくい単語も比較しやすいです。
目次をみれば、自分の探している分野の内容が探せます。
また本の末尾には、索引(Index)で、あいうえお順に英単語が載っているので、単語も検索しやすいです。
チャート図、地図などわかりやすい
「図解辞典」らしくチャート図・地図・リストが多く示されています。
このようなビジュアル構成は、不動産実務の初心者も理解しやすいです。
(引用画像:「英語で学ぶ不動産ビジネス」より)
「都心5区」の説明まであるので、東京で宅建の仕事をする人にも必読です。
他にも日本の主要な商業ストリートや地区についても説明がされています。
福岡や大阪が登場します。
ただ、日本の不動産ビジネスについて書くならば、メジャーな都市以外の地方の情報ももう少し欲しいところです。
外国人の不動産投資家相手の仕事にも使える内容
外国法人や外国人の不動産投資家を相手に仕事をする人にも向いている内容です。
REITなどについても詳細な説明がされています。
複雑なビジネスの内容を英語で説明する方法を知ることができます。
英文を全てを理解できなくても大丈夫です。
右側の和文を読んでいるだけでも不動産投資ビジネスについて学べます。
不動産ビジネスに関心がある人であれば、辞書として使うだけでなく、解説本として最後まで読めるのではないでしょうか。
英文は単なる英語の習得を目的とするよりも、学ぶ対象のコンテンツが大切だという事を実感します。
自分の興味のある、または仕事で関連する内容であれば、熟読する気にもなれるというのは本当です。
この本のアマゾンの口コミは評価する口コミと低い口コミなど3つが紹介されていました。
良い口コミではなく、気になる低い口コミを紹介します。
評価が低い口コミについて
この口コミを投稿した人は、関連する業界全般にも詳しい人でしょうか。
まだ少し読んだだけですが、民法をCivil Actと表現していたり、都市計画法が国土交通省によって作られたなど(管轄はしているけど作ったのは国会です)、基本的なところがすでに間違っている。
英語と日本語の説明を比べると、英語の方は説明が雑のように感じる。
参考にとどめるべきかと。(引用:アマゾンの口コミより)
民法の意味を試しにアルクで検索してみると、幾つかでてきます。
【民法】
- civic law
- civil code
- Civil Code〔日本法〕
- civil law
“civil act”も日本法としても意味もあるので、厳密に解釈すれば、間違いではありません。
ただ、不動産業務以外の分野の単語を細かく見ていけば、不十分な点もあるかもしれません。
自分達の専門分野以外の説明になれば、解釈の違いは出るかもしれません。
まとめ:「英語で学ぶ不動産ビジネス」について
「参考にとどめるべきかと」と書かれているように全く使えないという評価ではありません。
本文に幾つか不正解な点はあっても、不動産の英語の専門用語を調べる参考書としては高評価できます。
ただ、私が気になったのは、この本が再販を重ねていないことです。
不動産実務で英語を使う機会のある人がまだ少ないのでしょうか?
需要が少ないので2011年出版のままで終わっているのでしょうか。
本は再販することで、内容が古い部分や不十分なところが更新されていくものなので、その点は物足りないです。
ただ、これから英語で不動産ビジネスを勉強したい宅建士には、ぜひおすすめできる本です。
再販されるかどうかはわかりませんが、在庫が残っているうちに早めに手に入れる方がいいかもしれません。
英語を使う不動産業務に興味がある人は、他の記事も読んでみてください。
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