2020年から学習指導要領では、小学校の授業に 英語教育が必修になります。
その影響は、小学生だけでなく就学前の子供教育にまで及んでいます。
5歳の息子を持つ私の周囲でも、親が子供に習わせたい習い事ベスト3に英語は必ず入ります。
私も同じで、以前は英語を教えてくれる無認可の保育園に息子を通わしていました。
しかし、我が子の様子を見ていると大人の理想通り、順調に英語を習得しているわけではありません。
教え方が上手な先生もいれば、英語は上手くても教え方が下手な先生もいます。
児童英語を教えることは語学の力だけでなく、子供に教える専門スキルが必要だと感じています。
ここでは、児童英語教師の仕事内容と求められる資質について簡単にまとめました。
Contents
児童英語教師の仕事とは
児童英語教師の仕事は、一言で説明すると「子供に英語を教える仕事」です。
子供に英語を教えることは一見簡単そうですが、大人に英語を教えるよりも難しいです。
初めて英語に触れる子供達に「英語がわかる喜び」を与え、語学習得への橋渡しをする重要な仕事です。
何事も最初が肝心で、その子供の英語が上達していくかどうかは、「英語の基本」の学び方で変わります。
その子供の英語への関わり方を一生左右するので「学習能力を開発」する仕事でもあります。
子供が教育を受ける学校や教室などで、多くの児童英語教師の活躍しています。
主な職場としては3つあり、それぞれ教え方も変わります。
- 小学校の英語指導
- 民間の英会話学校の講師
- 個人の英語教室やサークル
小学校ではクラス全体で20人〜30人を一度に教えることが多いです。
多人数を相手に授業をするときは、個別指導がしにくい、一人一人に目が届きにくいなどの欠点をカバーしながら授業を進める技術が求められます。
その一方で英会話学校や個人の英語教室では、1人〜少人数を教えます。
一人一人の関わりが深くなるので、一人一人の個性に合わせた指導法に変わります。
フランチャイズ形式の英語教室や企業が運営する英語教室では、独自に開発されたカリキュラムと教材を使うことが多いです。
子供に英語を教える共通点はあっても、それぞれの環境によって、児童英語教師に求められる教え方や仕事のやり方は変わります。
児童英語教師に有利な資格や免許
児童英語教師の名称は、資格や免許がなくても名乗ることができます。
ただ英語を教えるには、最低限の英語力の目安として、英検2級以上、TOEIC600点以上程度の語学力は必要です。
また、児童英語教師の職に応募する時は、小学校英語指導者資格(J-SHINE)を取得しておくと有利です。
さらに、子供の教育関係の仕事につく場合は、保育士資格や幼稚園教諭免許、小学校教員免許などもあれば強みになります。
児童英語教師に求められる能力
児童英語教師には、英語力だけでなく他の資質も必要になります。
テキストだけで英語のルールを教えられる大人とは違い、子どもはテキストの文章だけでは、なかなか理解できません。
その場その場で英語を使いながら話かけ、子供の発音を組み上げながら、飽きさせないように授業を進める必要があります。
子供は教える側の立場を理解してくれず、貪欲なので、色々なことを容赦無く要求します。
子供が好きというだけでは続けられない厳しいプロの仕事です。
英語の学力
当たり前のことですが、英語を教えるので人並み以上の英語力は必要になります。
少なくとも子供の親に英語が上手な先生だなと感じてもらえないと、親は不安になります。
親に対しての対策のためだけではありません。
子供相手に教える内容は、基礎的英語力があればできそうですが、違います。
例えば英語圏の子供の絵本や童話を読むとどうでしょうか?
絵が多く文字も少ないので簡単そうに見えますが、全部はスラスラと読めません。
意外と中学校レベル英語力だけでは対応できない文法や語いがあることに気がつきます。
現場の話では、最低でもTOEIC800点、英検準1級以上の英語の学力は欲しいです。
それにプラスして生活によく出てくる英単語を多く知っている方が、余裕を持って授業を行えます。
そして最も大事なことが発音の正確さです。
子供の方が耳が良いので、間違った発音で教えてしまうと、それがそのまま身についてしまいます。
児童英語教師になりたい人は、特に正確で美しい発音ができることが必要です。
私が知る限りでも子供に英語を教えている先生は、全員発音がとても良いです。
音の正確さだけでなく、英語のリズムが自然なので聞き取りやすいです。
子供の年齢に応じた学習能力についての理解と知識
子供は年齢によって学習能力が違うので、授業の組み立て方は年齢によって異なります。
例えば幼児や低学年の頃は、母国語である日本語をあまり学んでいません。
よって身の回りにある物、自分が知っている範囲の事柄でないと理解できません。
授業の進め方も6歳までは、遊びながら体全体を使って学習する方が楽しく学べます。
小学校1.2年になれば英語を話すことが楽しくなってくるので、自分表現が積極できる環境を作ってあげると伸びます。
その一方で、高学年で初めて英語を学ぶ子供は、学ぶ事柄が低学年の子供と同じになれば、簡単すぎて満足できません。
また、この年代になると考えることや書くことに十分な時間を取りながら教える必要があります。
それぞれの年齢に合う教え方ができることも、児童英語教師に求められる能力の一つです。
児童英語教師は日本人だからできる良さもある
私の周囲のママ達も英語を習わせるならば、ネイティブの講師に習わせたいという人多いです。
確かに子供の頃から、ネイティブの発音に慣れておくことは、今後の英語学習には有利にはなります。
以前の私もネイティブの先生に習わせる方が良いと思っていた時期はありました。
しかし、実際に子供に英語を習わしてみて感じたことは、日本人の先生も良いなあということでした。
大きな理由は3つありました。
- 子供の生活背景をよく理解している
- お互いに母国語なので、相談がしやすい
- 日本人特有の外国語習得の難しさを理解している
子供の生活の背景をよく理解してくれている日本人講師の方が、子供が発する言葉の意味を早く汲み取ってくれます。
また、まだ子供は日本語の能力は未完成なので、英語と同じぐらい母国語である日本語の習得も大切です。
英語を教えてくれるのも大切ですが、オール英語で授業を受けると言葉を覚えるのに混乱します。
私の子供の場合は3歳から保育園で英語に触れていましたが、日本語も交える授業の方が向いていました。
そして何よりも先生とコミュニケーションが取りやすいことです。
ネイティブの英語講師の中には、日本語も堪能で私達以上に日本の文化に詳しい人もいます。
しかし、ほとんどの先生は英語しか話さない人が多いです。
その一方で、子供に英語を習わせる親が、全て英語が堪能に話せる訳ではありません。
学習の問題が起きていた時もお互いに十分に意志の疎通をはかることができません。
子供に対してのフォローやきめ細やかさは日本人の先生の方が向いている気もします。
ネイティブでないと、児童英語教師の需要は少ないと思われる人もいるかもしれません。
しかし、日本人の先生だからできることも沢山あります。
子供に英語を教えたいと情熱を持っている人は、日本人であることに自信を持って頑張ってください。