なぜか国家資格を取得した勤勉な人は、合格後で、また違う次の資格を頑張って勉強する傾向があります。
私の周囲では、二級建築士だけでなく一級建築士取得者でも宅建の合格に向けて勉強している人が数人いました。
建築士と宅建士は、土地や建物を扱う仕事をする場合は、相性の良い国家資格です。
建築士は技術系、宅建士は法律や運営側の専門家になれるので、両方あれば「鬼に金棒!」とも言われています。
実際に宅建とのダブルライセンスは不動産や建築業界だけでなく様々な業界の転職にも有利です。
転職した人の話を聞くと、宅建保持者の一級建築士が、不動産会社へ就職すると更に年収が上がる可能性があります。
参考記事:「一級建築士の転職で年収1,000万以上の会社はどこ?これから注目の業界とは?」
私は、2018年の宅建試験に一発合格しました。
宅建士に合格する前から、宅建は仕事には役立つ資格だとは知っていました。
しかし、法律や税関係は、とても苦手な分野で、わざわざ勉強するのが億劫でした。
しかし、宅建に合格した感想は、食わず嫌いせずに思い切って勉強してみると案外面白い分野だと分かってきました。
宅建の資格勉強は、法律や税の基礎知識を身につけるのには最適な手段です。
特に法律と税の知識はどんな仕事でも役立ち、ビジネスで成功する為には不可欠です。
今回は、一級建築士の私が宅建を取得しようと決意した動機やメリットをお伝えします。
Contents
一級建築士が宅建を目指すきっかけとは?
最近、私がやっと宅建の受験勉強を始めた理由は、いよいよ必要に迫られたからです。
今年から建築の設計業務ではなく、土地の開発にも関わる仕事をする様になりました。
その土地開発の部署では宅建の資格取得が奨励されています。
しかし、実は一見関係なさそうな設計業務であっても法律や税の知識は必要です。
特に富裕層を相手にする時には、これらの知識は不可欠だと感じる事が今まで多くありました。
建築の全ての仕事に不動産が関わる
以前の私の主な仕事は、店舗や住宅、施設などの建築の設計プラン作成でした。
建築物件の完成までには、設計部だけでなく事業開発部、営業部、工事部、設備部など様々な部署の人が関わります。
設計でも時には営業と一緒にお客様と打合せもするし、工事が始まれば現場監理で現場まで行きます。
最もお客様と接する機会が多いのは営業担当ですが、設計担当も全くお客様と打合せをせずに図面を描く事は殆どありません。
なぜならば、営業から間接的にお客様の要望を聞くだけでは、相手の意図を読み違えたりします。
また建築物を作る打合せ内容は、細かく多岐にわたります。
直接、一緒に設計士もお客様の話を聞く方が業務上効率が良いです。
よって大型物件の場合は、設計士も営業や開発担当と一緒に企画やプランニングの初期の段階から打合せに入る事が多いです。
建築物件は土地の開発を一から行う現場や、既存の古いビルや施設を丸ごと再利用するなど多岐にわたります。
そして全ての現場で不動産は業務に関わってきます。
たとえ建築の会社であっても不動産の契約業務は必ずありました。
物件開発のプランニングは法律や税が重要になる
お客様との打合せでは、建築以外の話題も多く出ます。
その中で不動産の再利用や物件開発で、最も重視される事は下記の事です。
最初の仕事の頃は、利益が上がる物件を造るには、物件開発の企画力、マーケティングや設計やデザインの建築方面の技術力やがあれば良いと思っていました。
もちろん、これらも必要ですが、不動産開発で必要な事はそれだけではありません。
・不動産は法律、建築、金融のロジックが無いと商売ができない。
お客様がやりたい事を実現するには、金銭や法律など様々な問題が発生します。
例えば、既存のビルや商業施設の開発では、現在いる人に立ち退いてもらう必要が出てくる場合もあります。
その場合は、賃貸契約を結んでいる店子と建物賃貸借契約などの問題をクリアする必要があります。
店舗などを出店するにも賃貸契約が発生します。
また大型の投資になれば、融資先の銀行との連携も必要になります。
融資の返済計画も含めた資金計画も綿密に立てる必要があります。
損益分岐点などの理解は必要だし、税金の処理も重要になります。
利益の上がる物件開発をしようとすると、一言では説明できないぐらい建築以外の事が出てきます。
また個人オーナーであれば、相続税などの税金の悩みを抱える人も多いです。
相続税の対策の為に新しい建築物を建てる事を決意する人もいます。
そんなお客様の悩みを理解して、的確なアドバイスを返せる人でないとお客様に相談をされる相手にはなれません。
特に予算のかかる大型物件の投資は、お客様にとっても大きな決断になります。
信頼関係がないと仕事を任せて貰えません。
よって建築以外の事を知らない営業や開発担当者は、現場の話自体も進めていけません。
私も話に出てくる言葉の意味自体が理解できない事も多かったです。
恥ずかしい話ですが、法律や税関係の話題になった時は、ただ側で聞いているだけでした。
また独立してビジネスで成功する為にも法律や税の知識は不可欠です。
今まで多くの人に接してきましたが、特に富裕層や経営者は法律や税に非常に詳しい人が多い特徴がありました。
一級建築士が宅建の知識をつける事も収入アップ
会社の経営には法律と金融が深く関わります。
よって成功している経営者は、普段から意識して税や法改正などの新しい情報収集にも熱心でした。
彼らが法律や金融を勉強しているのは、知識を身につける事だけが目的ではありません。
・的確な経営判断の手助けになる
ある経営者は人の主観的な話を色々と聞くよりも、自社の損益計算書の数字を見る方が、経営状態が客観的に判断できると言っていました。
儲かった利益は、節税対策をして適切な税金額で納める必要もあります。
また商売の取引売買には契約業務が必ず発生するので、不利な取引をしない為に法律を知る事は不可欠です。
そして、もし法律違反をすると場合によれば業務停止に追い込まれます。
法律を知らなかったでは、許されない問題です。
また新しい法改正が次のビジネスチャンスになる事もあります。
これらの事は経営者だけの話で、会社に雇われている一級建築士は関係ないと思う人もいるかもしれません。
しかし、設計士など技術職の人間も経営者の視点を持つ事も収入アップには大切な事だと私は思っています。
「自分の年収を上げたければ、既に収入アップを実現している人を真似しろ」
自分の年収を倍にしたいと相談した人に富豪が返した言葉です。
特に法律と金融の知識は、年収アップしたい人には不可欠だと思います。
一級建築士などの技術職も富裕層を相手にできる力がつくと予算を持っているお客様からより仕事を受注しやすくなります。
実際に一級建築士が宅建を取得すると建築の技術面だけでなく、不動産の法律や金融知識がある人材として転職市場でも付加価値が高いです。
資格だけではなく実務経験も必要ですが、将来の年収アップにも繋がります。
参考記事:一級建築士の私がハイクラス転職で成功できた!おすすめの 転職支援サイト
宅建の受験は最短で知識を習得する早道
私も業務が設計だけであれば、法律や税の話も横で聞いているだけも何とかなりますが、土地開発の仕事になると、それで済みません。
実際に現場で出ても不動産契約や権利などの民法は、知識が無いと会話で出てくる用語の意味すら理解できません。
数ヶ月で基礎知識を早く習得する必要が出てきました。
宅建以外の資格勉強にも言える事ですが、資格の受験勉強の良いところは、集中して勉強するので、基礎知識が短期でも頭に入りやすい事です。
最初は外国語を聞いている様な民法の契約用語も、その言葉の意味が理解できると頭に入りやすくなります。
難しく分からなかった分野で、理解できる事が増えてくると、世界が広がる様な楽しさが出てきます。
また民法や不動産の売買取引方法を定めた宅地建物取引業法などは、知らないと損をする事も多いです。
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