宅建士の文系転職術:AI(人工知能)時代に必要とされる文系人材とは?

宅建士の文系転職術1:AI(人工知能)時代に必要とされる文系人材とは? 宅建士の転職と仕事

宅建士は文系それとも理系出身者が取得する資格でしょうか?

多くの人は、文系出身の人が取得する資格かと思っています。

 

このシリーズでは、今回は、文系の人がAI時代でも希少性を高めながら、年収を上げる方法についてお伝えします。

 

先日「ハケンの別格」という見出しの面白い記事(MJ:6月20日)を読みました。

内容は最近の高額年収を得る派遣社員についてです。

 

年収1000万を超える収入を手にし、派遣先によっては、花形のコンサルタント職や新規事業で、大活躍するプロの派遣スタッフが最近増えています。

 

人材サービス大手のエン・ジャパンによれば、派遣で時間給3000円以上の高収入求人は1年で8割増加したそうです。

 

かつて「派遣切り」の言葉が流行したように、派遣は正社員になれない人が仕方なくなる負のイメージがありました。

しかし現在は、会社に縛られない自由な働き方を求めて自ら派遣やフリーの道を選ぶ人も多いです。

特に技術系の派遣であれば、様々な経験とスキルを積むために職場が変わるのは、最適な働き方という人もいます。

 

ここで注目する事は、求められる人材のニーズです。

高額年収の派遣スタッフは、「IOT」や人工知能AIエンジニアなどの専門性の高い技術スキルを持った人が多いです。

特にエンジニアなどは、理系の素養を持つ人材のニーズが強いです。

 

そして、高額年収で活躍する人がいる一方で、安い時間給で生活苦にあえぐ非正社員も増加する年収格差の問題も浮上しているのも事実です。

今後、AI(人工知能)によって職を奪われる人と必要とされる人の年収格差は、ますます広がると言われています。

そんな時代に生き残る為には、特に文系の宅建士のAI技術の習得はどうすればよいのでしょうか?

宅建士の文系転職術1:AI(人工知能)時代に必要とされる文系人材とは?

文系の転職術:理系の違い、文系が活躍する職種とは?

日本では一般的に文系と理系の違いは、自分の出身校の専門分野で区分される事が多いです。

「文理選択」のように高校2年生以降、「文系」「理系」のどちらに進むのかを決定する学校もあります。

「文系」の学習は主に国語、外国語、地理歴史、公民、社会学系に力を入れます。

「理系」の学習は数学や理科、物理などの勉強に比重が置かれます。

 

大学は下記のように学部が文系と理系に分かれています。

文系…法学部、経済学部、教育学部、外国語学部、文学・人文学部

理系…医学部、薬学部、歯学部、農学部、理学部、工学部、理工学部

大学を卒業後には、文系は営業や販売職、経理、事務、記者、編集などの職種につく事が多いです。

理系の場合は、研究職やプログラマー、設計士や情報処理など技術職などの分野に進む人が多いです。

 

また文系出身は、「士業」の資格を取得して専門分野で独立する人も多いです。

会計や法律の専門家の資格であれば、「弁護士」、「弁理士」、「公認会計士」、「司法書士」、「行政書士」、「税理士」、「宅建士」などがあります。

一般的に会社の経営者になる人は、文系出身が多いとも言われています。

 

理系の素養も必要になる、厳密に理系と文系に区別できない職種もあります。

例えば「公認会計士」や「税理士」は、簿記や会計など数字を扱う事が多い仕事です。

この場合は両方の資質が求められます。

 

そして、理系出身であっても法律や不動産の知識を身につけたいと宅建士の資格を取得する人もいるかと思います。

 

また文系出身でも社会に出た後で、理系の職種へキャリアチェンジした「ITエンジニア」や「建築士」なども増えています。

私も大学は文学部出身ですが、社会人で仕事をしながら夜間の学校へ通い一級建築士を取得しました。

社会人になった最初の仕事は、建築業界以外の営業職でしたが、現在は建築の設計関係の仕事をしています。

AI時代には、文系には厳しい時代がくる?

この様に社会で文系出身は多彩な活躍しています。

しかし、AI(人工知能)やIT社会になってくると将来は厳しいものになると言う意見もあります。

 

文系出身の私も衝撃を受けた本がありました。

下記の本では、IT技術や飛び抜けた専門分野を持たない文系には厳しい時代がくると警告されています。

『文系が20年後も生き残るためにいますべきこと』

この本では、20数年後になれば、約65%の人が、今は存在していない仕事に就く必要性に迫られると予測しています。

存在しない職が出るとは、今の自分の仕事がなくなり、失業する可能性が高いという事です。

 

20年後は、今が20代の人ならば40代、30代であれば50代にさしかかります。

転職も厳しくなる年代で、もし自分の職がなくなる事は、大変です。

若い人は「逃げきれない世代」とも言われています。

 

この本の著者である岩崎日出俊氏は、世界を知るビジネスマンです。

スタンフォード大学を卒業後、興銀で勤務。その後J.P.モルガン、メリルリンチ、リーマン・ブラザーズなどを渡り歩いた経験から、シビアな現実を書いています。

 

下記のような「残酷な20年後」と呼ばれる予測をしています。

・世界人口は15億人増加するが、日本は1300万人減少! 少子高齢化で税金が上がる

・2020年、コンピューターは人間の知性を超え、多くの人は職がなくなる

・グローバル資本主義に呑まれて、日本人は職を奪われる

年収1000万円はわずか3.8%の限られた世界

(参照:『文系が20年後も生き残るためにいますべきこと』より)

 

こんな厳しい将来へ向けて、若い文系の世代はどうすれば良いのでしょうか?

岩崎氏の結論では、文系の人間の生き残りの方法は、

「自分の専門性を高めると同時に、守備範囲を広げていくことが重要」と書いています。

文系の宅建士が専門性を高め、守備範囲を広げる方法とは

まず、今の自分の持つ専門性を更に高めていく事は、絶対に必要です。

特に専門性が無い仕事を何年もしている若い人は、自分の適性を慎重に考えるべきです。

将来性が全くない事を続けるよりは、スキルが身につく職場への転職を検討する方がよいです。

自分の市場価値と適性は、市場価値診断ならMIIDAS(ミイダス)で知って対策を立てるのが有効です。

 

そして守備範囲を広げるという事は、どういう事でしょうか?

それは、食わず嫌いをするのではなく、これから将来に必要となる新しい分野の知識を積極的に身につける姿勢だと思います。

文系や理系の区別がない海外、両方の素養を仕事でいかす

実は欧米などの海外では文系と理系の区分はあまりないと言われています。

例えば、大学の工学部を卒業した理系の人が、大学院では、文系の学問に分類されている経営学の学位を取得するケースです。

日本の様に理系と文系と区別するのは、柔軟に仕事を選択できなくなるという考えを持つ人も多いです。

一見、関連がなさそうに見える分野同士でも、将来は相乗効果を上げ役立ちます。

 

そして、日本でも両方(文系と理系)の素養を生かして仕事をしている人も実は多いです。

「公認会計士」や「税理士」の様な数字と経営面の両方の素養を持つ専門家だけでなく、

・技術者だけど営業の仕事もする。

・営業マンだけど技術者に負けないぐらいの技術系の専門知識がある。

上記の例も両方の素養を生かした仕事の仕方をしていると言えます。

 

また、理系の基礎的な素養は、「データを読み解いて課題を設定する力」「論理的思考力」とも言われています。

これは会社の上層部になり、会社経営にかかわる仕事につけば、文系であっても必要とされる能力です。

MBAのカリキュラムにある経営学には、数学の素養も求められる所以です。

 

最初から文系なので、理系の素養が求められる仕事は無理、と決めつけない柔軟な姿勢を持つ方が、将来の仕事のチャンスは広がります

転職では文系で理系の素養を持つ人材への需要が高い

上記のような理系人材への需要は、新卒採用にも影響が及んできています。

リクルートキャリア就職未来研究所の増本全・主任研究員によると、データ分析による課題解決力や論理的思考力が必要な仕事は、将来も増えていくと予測されています。

よって新卒の採用でも、文系学生に理系の基礎的素養を求める傾向が強まっています。

各企業は初任給や職能給を手厚くするなど、不足するIT人材を確保しようと躍起になっている

(参照:2018年5月25日 朝日新聞より)

2020年から、小学校でプログラミング講座が必修化される様に、今後、若い世代のIT技術の習得は不可欠になります。

まとめ:AI時代に必要な文系の転職術

私達の将来は厳しいかもしれませんが、悲観する事ばかりではありません。

文系の勉強をしてきた人も専門性を高めれば、その分野で競争力のある人材になれます。

また、若い人は特に、積極的に自分の知らない分野の知識を身につける事も生き残る方法です。

将来、ますます必要とされそうなIT技術やデータ分析の基礎だけは軽く学んでみるのも、自分の仕事の守備範囲を広げます。

 

これからの時代、文系転職の成功の鍵は、理系の素養も同時に持つ事です。

また、転職をしない人でもデータ分析などの理系の基礎を学ぶ事は、大きなチャンスに繋がります。

旬の新しいIT知識を学んでいる人材は、会社の将来にとっても役立ちます。

自分の仕事の幅が広がれば広がる程、面白い仕事ができるチャンスは増えます。

 

雇う企業の方が、以前ほど、正社員の勤務形態にはこだわらなくなった流動的な今の状況は、リストラの心配がある反面、大きなチャンスです。

企業はこれから、技術革新で新しい仕事が次々と生まれるスピードに対応する必要性があります。

 

社内でこなせられない仕事を、外部の人材に任せる流れは止まりません。

優秀な人材であれば、自分の好きな条件で、自由に企業を渡り歩けます。

 

AI時代を不安に思うのではなく、必要なスキルは身につけて楽しみながら仕事をしていきたいものです。

 

文系の宅建士のキャリアアップ術は「不動産業界で年収アップに欠かせない【宅建士・英語・IT】3つのスキル」で詳しく書いています。

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