宅建士の資格は文系出身者が取得する資格と言われることがあります。
しかし、文系の宅建士には厳しい時代が近づいています。
英オックスフォード大学のAI(人工知能)研究で有名なマイケル・A・オズボーン准教授は、
AI時代がくると「不動産ブローカー」の職業はなくなると予測しています。
また、「ITリテラシーがない文系は、将来は生き残れない!」などの話題を近頃よく耳にします。
これらは文系出身の私としては、嬉しくない未来の予測像です。
確かに文系であってもITの知識や理系の基礎的素養「データを読む力」は、身につける必要はあります。
参考記事:「文系の転職術:AI(人工知能)時代に必要とされる文系の人材とは?」
しかし本当に文系人材は、将来のAI時代には要らなくなるのでしょうか?
そう判断するのは少し違う気もします。
今回は、文系の人がAI時代でも希少性を高めながら、年収を上げる方法についてお伝えします。
文系の強みや特性を生かすAI時代の生き残り策について、国文科卒で昔は文学少女?だった私の視点から考えてみたいです。
Contents
AI時代に消滅する可能性のある職は理系と文系に関係なくある!?
まず、理系と文系関係なしに、今後AI(人工知能)に置き換わりそうな仕事はあります。
下記の様な記憶力と情報処理力が求められる仕事です。
・多くの専門知識を引用して使用する事が必要な仕事
・主に反復の作業が必要となる仕事
上記の内容であれば、今は高年収で花形の職業でも、将来はAI(人工知能)に業務の多くが代用されてしまう可能性があります。
例えば、文系は「宅建」以外の代表的な士業であれば「弁護士」、一方、理系の職業は「医師」などが該当します。
現在これらの資格は、国家資格です。よって業務は資格者しか行えない既得権があります。
しかし、もしロボットに業務が代行されると、就業に必要な人数は減ります。
現実に、すでにAIが業務を代行している事例は、日本だけでなく世界中にあります。
アメリカの大手法律事務所は、IBMのWatsonをベースにしたAIを、弁護士の助手として採用しました。
AIは膨大な訴訟(裁判など)案件などの過去の判例をすべて記憶しています。
資料を瞬時判断できるので、弁護士の助手にはとても優秀だそうです。
また、宅建士の仕事でも膨大な不動産情報を処理できるシステムを構築している会社もあります。
また理系の代表的な職業の一つでもある医療の分野でもAI活用が進んでいます。
日本の大学病院では、AIを利用した診断の研究が行われ、数分で患者の病名を見抜く成果も出ています。
過去の病例から学習する事に関しては、AIの知識は人間の医者を凌ぎます。
病名の診断で使用される資料(レントゲン、CT、MRI、細胞診や腫瘍の検出など)を過去の膨大な検査結果を学習し記憶しています。
両者の仕事に共通する事は、今まで人が判断する為に何日もかかっていた作業を、AIであればミスなく瞬時に終わらせる事ができます。
AI(人工知能)が代用できる仕事は、単純作業の仕事だけではありません。
高度なスキルが必要とされる専門職でも、理系や文系に関係なしにAIで仕事がなくなる事は起こりえます。
AI(人工知能)ができなくて人間ができる事
将来はAIに仕事を奪われてしまうかもしれない危機感を持つ人は多いです。
しかし、そんな万能なAIにも弱点があります。
それは、過去のデータを基準にしてしか、AIは判断を下せないからです。
過去のデータにとらわれない判断ができ、新たなものを作り出す力は、人間にしかできない事です。
スポーツ選手などに多いが、99回失敗しても、その失敗から判断して諦めることはない。
1パーセントの望みにかけていたら成功する事もある。
そういうふうに、人間というのは未来を目指してきた。
人間は失敗しても1%の可能性にかけてきたが、その判断は、データ上の判断ではない。
人間の、想像力や発明は、みんなそうやって乗り越えてきて生まれた。
その部分はたぶん、AIが苦手な部分ではないだろうか。
上記の能力は理系でも文系でも、人間が本来持っている根本的な能力です。
よってAI時代は、文系人材だから不要になるのではありません。
機械と同じ事しかできない思考力のない人材が不要になります。
これから生き残るために文系に必要な能力は、
その為にはITリテラシーを高め、理系の基礎的な素養でもある「データ分析力」などの知識を身につける必要があります。
文系の黄金のスキルを生かしたAI時代の転職術とは?
文系の能力は全く、AI 時代には必要とされないかと言えば、そうでもないです。
文系の持つ素養の一つとして「文章の読解力」があります。
この読解力が、これからのAI時代には、必要とされそうです。
文系の素養、読解力はAI時代でも必要とされる!
AI(人工知能)時代は、理系の素養が特に必要とされると思われがちです。
しかし、その一方で文系の素養も必要だという意見もあります。
最近、「AI VS. 教科書が読めない子供たち」の本が話題になりました。
この本でもAI時代には、人間は機械に仕事が奪われるという厳しい予測がされています。
しかし、生き残りに必要な能力は、ITリテラシーを高めろと主張している他の多くの著書とは違います。
彼女が主張する必要な能力は、私には意外に感じました。
著者の新井氏の専門は数理論理学です。
教育機関向けのコンテンツマネージメントシステムNetCommonsや、研究者情報システムresearchmapの研究開発に長年、携わってきました。
彼女が全国2万5000人の基礎的読解力を調査した時に衝撃の結果が出ました。
なんと学生の3人に1人が、簡単な文章が読めないらしいです。
彼女は、それに対して強い危機感を持ったらしいです。
数学ができないのか、問題文を理解していないのか?
この疑問から始まり「AI時代に生き残る人材とは、文章を理解できる人材だ」と結論を出しています。
「読解力」も物事の本質を考える「思考力」がないと身につかない物です。
文系だからAI時代は、生き残れないという、文系へのマイナス面な意見ばかりではないです。
文系の転職は、理系の素養を持つ文系人材が人気になる
これからAI(人工知能)は、私達の仕事には欠かせなくなる時代がきます。
しかし、全ての人間が、専門にAIやプログラミングを組める技術者にまでなる必要はありません。
技術がどの様に仕事に活かせるか?
技術を利用し、活用方法を考える事ができる人材になる事が大切です。
例えば、IOT(意味:身の周りのあらゆるモノがインターネットにつながる仕組み)の基盤を構築できる技術者でなくても、技術者と協力しながら新サービスを生み出す人もいます。
この様に新たに収益を出す仕事ができる人は技術者よりも重宝されます。
文系であっても理系の素養を持つ人材として、企業に引っ張りだこです。
この様に新しいIT技術の概略だけでも知る事は、文系の転職には、大きな武器になります。
AI技術を身につけてみるのも面白いかもしれません。
AI時代のキャリアアップ術は、「不動産業界で年収アップしたい人が絶対に身につけるべき3つのスキルとは?」で紹介しています。
宅建士の資格を取得するべきかどうか?迷っている人は、「宅建士は将来性のある資格?AI(人工知能)時代では必須の衝撃の真実とは!」で、答えがわかります。