不動産経営で注目が高まっている、話題の民泊住宅についてです。
最近では、民泊に対応した新築住宅まで売り出されていますが、その将来性は気になるところです。
(参考記事:「宅建士の仕事:流行りの民泊対応の住宅は将来も本当におすすめか?」より)
では、外国人旅行者に人気が出る民泊とは、どのような住宅でしょうか?
民泊仲介世界最大手のAirbnb(エアビー)は、
日本のハウスメーカーと共同で、民泊用の住宅を売り出しています。
住宅宿泊事業法(民泊新法)に対応した新築住宅は、住宅業界でも話題になりました。
日本に民泊ブームを巻き起こしたエアビーは、最近では違法民泊の温床になっていると批判されてきました。
今後、このような民泊新法に対応した住宅が発売されると、自宅の一部を民泊に使う人も増えてきます。
エアビーの民泊対応の住宅の要点と人気の民泊住宅になる条件をみていきましょう。
エアビー「ホームシェアリング対応型住宅」とは
「ホームシェアリング対応型住宅」はAirbnbが公式に認定しているデザインです。
「オレンジ・アンド・パートナーズ」 やハウスメーカーの3社共同で開発されました。
この住宅の特徴は、「家主不在型」民泊専用の住宅ではないことです。
「家主滞在型」家主が自宅を貸し、異業種交流を目的とする住宅です。
旅行者との交流を大切にしながら、住人(貸す側)のプライバシーも確保、
使い勝手の良さを追求しています。
(引用画像:Prtimes 「株式会社オープンハウス日本初!を共同開発 ~Airbnbとと三社提携~」より 2018年6月14日 より)
民泊新法では、ゲストが使う寝室、風呂や洗面トイレは別に設ける必要があります。
宿泊者の部屋の面積が50㎡を超えなければ、
寝室などに住宅用火災報知器を設置するだけで済みます。
1階を宿泊者用のゲストルーム。
2階をLDKで宿泊者と交流できる共有で使える食事スペース。
3階が住人の居住スペース。
2階のキッチンには、「アイランド(島型)」キッチン」を採用しています。
シンクや作業スペースが壁から離れていて、宿泊者と一緒に食事の支度ができるなどコミュニケーションが取りやすいです。
また、一部を畳スペース(下側は収納)にして、畳に座って食事もできます。
(引用画像:日経MJ「エアビー・オープンハウスなど」2018年12月14日より)
この住宅には、他にも交流できる工夫が凝らされています。
屋上バルコニーは、約6.6畳を確保し、通常の住宅よりも広いです。
折りたたみ式のテーブルを置けば、旅行者と一緒に飲食を楽しむこともできます。
また、旅行者用の布団やスーツを干すのにも便利な十分な広さが配慮されています。
民泊住居らしいのは、室内用のポストも設けられ、旅行者から家主へメッセージを届けやすい事です。
室内用のポストは別にして、民泊対応の住宅は「二世帯住宅の間取り」と似ています。
二世帯住宅とは、1つの家に親世代と子世代の2世帯が住む場合です。
この場合も寝室や風呂洗面などは親子それぞれ別のフロア、
2階をLDKにして、2世帯が共有で使えるようにしている間取りが多いです。
また、玄関などの入口も別にしているので、お互いのプライバシーも保てます。
1階の居住スペースが、親世代から宿泊ゲストに変わるだけで、特に目新しいデザインではないです。
将来、親世代との同居の可能性も高い場合であれば、二世帯用住居にも使えます。
仮に民泊が上手くいかなくても転用はしやすいです。
民泊住宅に対応したローン
今回のエアビーの「ホームシェアリング対応住宅」で画期的な事は、ローン手続きが楽になった事です。
これまで民泊の運営を予定する物件を購入する時は、ローンの手続きが面倒でした。
ローンに組む場合は、家主が住宅使用する部分と民泊運営の使用部分は、個別にローンを組む必要がありました。
しかし、このエアビーの住宅では、ローンは1本で組む事が可能になりました。
みずほ銀行、AirbnbとBlue labで業務提携をしています。
Blue labとは、みずほ銀行が事業会社やベンチャーキャピタル等と共に設立した会社です。
そこで従来のローンと同様に1本で組めるサービスを可能にしています。
建築業界で住宅設計の仕事をしていた時もそうでしたが、
ローンで組める金額によって、購入動向や住宅にかけられる予算が大きく左右されます。
一括現金で何千万もの住居を購入できる人は、ごく僅かです。
そういう意味では、エアビーの民泊住宅はローン手続きが楽なので、新築の場合は選ばれやすいです。
宿泊者を本当に惹きつける民泊はどのような住宅か?
住宅民泊が、宿泊者を惹きつける鍵は、文化交流にあります。
年々「日本の文化体験」を求める外国人旅行は増え続けています。
その動きを受けてエアビーは古民家で伝統工芸体験を提供する取り組みもおこなっています。
(毎日放送の「京都プロジェクト」と協力)
(参照画像:「Travel Vision」より)
交流型の民泊で、日本らしい文化体験ができる場所が、今後も人気が高まると考えられます。
コタツを置いただけの部屋が、外人宿泊者に受けたという話も聞きます。
古民家を改造した民泊も予約が途切れることなく人気です。
竹林が眺められるなど個性を出したユニーク型の民泊は、1泊の料金が3万5千円以上しても人気です。
民泊も安さを競うばかりでなく、個性と質の時代に入ってきました。
次は、これらの個性的な人気の民泊に関しての記事も書いていきたいです。
不動産業界の年収アップに役立つ記事です。
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