ここ数年、「一級建築士優遇」の求人募集をみているとPM(プロパティーマネジメント)が、東京方面を中心に増え続けています。
PMとはProperty Managementの略です。
PMは開発のマネージメントをする仕事だと思われがちですが、
プロパティーマネジメントの仕事を一言で説明すると「不動産の資産価値の向上を行う業務」です。
資産価値を向上させる為には、不動産施設の管理や運営が必要です。
このプロパティマネジメントの応募は、東京を中心にハイクラスの転職の求人も多いです。
不動産のプロパティマネジメント系の専門職の求人であれば、年収は平均700万〜1000万で募集されています。
このプロパティマネジメントは、将来性も需要が高い仕事です。
現在、日本の高度成長期に造られた築60〜45年の施設は、早急な建替えが求められています。
また1980年代のバブル期に建られた多くのビルやマンションも築30年を超え、建替えが必要な建築物は、今後ますます増えてきます。
これから少子高齢化で日本市場が縮小しても、既存の不動産を有効に管理し運用する需要は増え続けると予測されています。
今回は、一級建築士の求人需要が高く、年収アップできる注目のPM(プロパティーマネジメント)の職業についてお伝えします。
Contents
不動産管理のプロであるPM(プロパティマネジメント)の仕事とは?
「不動産資産の価値向上」の業務内容は、多岐にわたります。
現在、物件開発(企画やテナント誘致)や不動産運営には、多くの宅建士が活躍しています。
また建築業界からも一級建築士を中心に多くの技術系人材が、施設の管理や物件開発(主に設計や施工業務)を行う仕事をしています。
プロパティーマネジメントの導入はバブル崩壊がきっかけ
プロパティマネジメント(P M)は、日本ではまだ新しい仕事です。
バブル崩壊で金融先進国の欧米の外資系企業を通じて日本に導入された事がきっかけです。
この時には、ビルなどの不動産を保有する多くの会社の業績が悪化しました。
金融機関は、自社の融資先で業績が悪化した会社に対して、担保にしていた不動産の売却を強く要求しました。
この時に、資金回収のために外資系の投資運用会社が、日本に不動産運用に欧米の論理的な運営方針を持ち込みました。
これらをきっかけに、不動産経営をプロに任せて運用する流れ「所有する人と経営する人は分離する」考え方が日本に普及します。
同時に不動産業務でプロパティマネジメントの運営手法が一般的になりました。
この手法は、不動産の所有者(オーナー)に代わり、専門スタッフ(プロパティマネ-ジャーなど)が、不動産を運用していきます。
不動産の資産価値を最大限に高め運用する事で、賃料収入が上がるなど物件の収益力を上げる事を目的とします。
そして現在では、2020年のオリンピック景気を目前に多くの外資系の投資運用会社も日本に進出しています。
これらの会社は、不動産の所有者を代行する業務を大きく2つに分けています。
主に投資資金の運用を行う「アセットマネジメント(AM)」と運用の管理業務を行う「プロパティーマネジメント(PM)」です。
プロパティーマネジメント(PM)とアセットマネジメント(AM)の違い
アセットマネジメント(AM)は、Asset Managementの略です。
この業務は、プロパティマネジメント(PM)の仕事と結びついています。
アセットマネジメント(AM)とは、
・主に所有者の資金管理運用を担当
・不動産の収益性に軸を置いた経営に関わる
不動産物件の開発、建築、運用、売却まで、一連のサイクルを手がけますが、収益性を上げる仕事がメインになります。
投資用資産などのポートフォリオ(金融商品の組合せ)を運営管理する業務などもあります。
一方、プロジェクトマネジメント(PM)は、
・不動産の運営や施設管理
・不動産の価値を維持するための建築リニューアル(建替えや改装)
PM(プロパティマネジメント)はAM(アセットマネジメント)より、仕事を受託して、実際に不動産を運営や管理業務するのが、主な仕事になります。
AMが定めた戦略を現場で具体的に実行していくのがPMの役割です。
宅建士や一級建築士は、このPM業務に携わる人が多く、転職市場の求人もPMの募集がほとんどです。
専門知識を必要とするAMやPMのプロを活用することが、収益不動産の経営戦略上いまや必要不可欠になっています。
プロパティマネジメント(PM)に一級建築士が求められる理由
住宅、ビルや施設など不動産資産をもつ所有者(オーナー)には、入居者からの賃料が主な収益源です。
不動産の資産価値を上げて、利益を出し続けるためには物件の価値向上や維持が必要です。
その物件が魅力的であれば、入居者の満足度は高まり好条件(高い賃料)の契約が増え、物件の利益が上がります。
そのような不動産は収益性が高いので、資産価値も同時に上がります。
この不動産の資産価値を上げるために欠かせない専門家として、一級建築士の需要が高まっています。
一級建築士が活躍するプロジェクトマネジメントの導入例
欧米では、不動産事業でAMやPMのプロを活用するのは一般的です。
最近では、日本でもPMを積極的に導入する会社は多くなりました。
特徴としては、欧米の外資流の短期の利益確保を重視するドライな運営手法だけではなく、将来性を重視した日本独自の運営手法を編み出しています。
対象は事業法人、個人のビルオーナー、賃貸ビル、マンション 商業施設、ホテル広範囲の不動産、医療施設、公共施設、インフラ事業まで様々です。
大手のディベロッパーが自社で開発した物件の経営している場合もあります。
建設業界からも不動産の管理運営マネジメントビジネスへの参入が増えています。
プロパティマネジメントの一級建築士の活躍
物件の技術面のメンテナンス管理や建築リニューアルには、建築の技術的な専門知識が必要です。
一級建築士は技術面のサポート業務が求められる事が多いです。
・リニューアルや新装時に建築物の図面作成
・現場監理
・施設管理(設備や修繕)
最近重要になっているのは、物件が法令に適合しているかどうか?の判断です。
収益性の高い不動産物件を建築する為には、「建築基準法」や「消防法」などの法令は無視できません。
以前とは違い、今は企業や個人のオーナーであっても法令遵守は社会から厳しくみられます。
違法の建築物件は市場価値も落ちます。
建築基準法や関連法令は、今まで何度も改正されています。
築30年以上の既存の建築物などには、今の法令に不適合(違法)状態になっている物件も多いです。
もし違反していれば、適切な改修工事・用途変更や建築確認申請が必要です。
この様な観点からも建築基準法や消防法に精通する一級建築士は、ますますプロジェクトマネジメント業務には必要とされています。
一級建築士のキャリアアップの方法
技術面のサポートでスペシャリストとして出世していく方法もありますが、専門職のキャリアでは年収も経営者に比べれると限界があります。
一級建築士の場合も技術面でキャリアを積むだけでなく、最後は経営マネジメント側まで関わる人は、高い年収を得ます。
また、一級建築士だけでなく宅建士など複合的に資格を取得するのも年収アップに役立ちます。
プロジェクトマネジメントを技術の専門家としてサポートするだけでなく、不動産経営の知識もあれば、より重宝されます。
宅建士と建築士の両方の資格を取得すると年収アップにつながります。
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※ 参考記事:宅建の通信講座はユーキャンが本当におすすめか?宅建受験生が口コミを検証
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